3日の香港市場でハンセン指数は0.02%安の26284.82ptだった。3日夜に開かれるG7財務相・中央銀行総裁による電話会議について、メディアが「現時点で声明文に協調利下げや財政出動といった具体的な政策対応は盛り込まれない見通し」と報じ、協調緩和への期待が後退し、売りが優勢となった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで30億6500万香港ドルの買い越しだった。
3日の米国市場でダウ平均は前日比785ドル91セント(2.9%)安の25917ドル41セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げを発表したが、前日大幅上昇していたため、材料出尽くし感から売り優勢となった。また、米国でも新型肺炎の感染者数が増えていることから、景気悪化懸念も重荷となったようだ。
本日の香港市場は、上値の重い展開を予想する。米FRBによる緊急利下げにより、香港金融管理局(HKMA)も4日、香港の政策金利を0.5%引き下げて1.5%にすると発表しており、一定のプラス要因となりそうだ。
(マーケット支援部 飯田)
こじっかりの展開か
3日の中国市場で上海総合指数の終値は0.73%高の2992.8968ptだった。取引時間中は3000ptの節目を上回る場面もあったが、午後は利益確定売りが出たようだ。主要国の中央銀行による金融緩和で世界景気の減速が和らぐとの期待が相場の支えとなった。また、中国国内での新型肺炎の新規感染者数の減少も安心感につながった。深セン成分指数も0.90%高の11484.21ptと続伸した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで4億8000万元の買い越しだった。うち上海市場は11億4500万元の買い越し、深セン市場は6億6500万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、恒生電子(600570)、ラックスシェア(002475)、宜賓五糧液(000858)などが買い越しとなり、三一重工(600031)、中国建築(601668) 、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、2日の新型肺炎の新規感染者数が125人にとどまり、減少傾向が見えてきていることはプラス材料となろう。また、中国政府による産業支援策への期待が相場の支えとなろう。
(マーケット支援部 飯田)