2日の香港市場でハンセン指数は0.61%高の26291.68ptで終えた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が2/28に利下げを示唆する緊急声明を発表したのに加え、3/2には日銀の黒田東彦総裁が異例の談話を発表して金融市場の安定を確保する方針を示した。新型肺炎の感染が世界的に拡大するなか、主要国が金融市場対策に取り組むとの期待が相場を支えたようだ。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで38億600万香港ドルの買い越しだった。
2日の米国市場でダウ平均は8営業日ぶりに大きく反発し、前週末比1293ドル96セント(5.1%)高の26703ドル32セントで終えた。上げ幅は2018年12月26日の1086ドルルを上回り過去最大だった。主要中銀が協調して金融緩和に踏み切り、新型肺炎による景気減速懸念が和らぐとの期待が高まり、ハイテク株中心に幅広い銘柄に買いが優勢となった。
新型肺炎を巡っては、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は2日に、日本、韓国、イタリア、イランの4カ国が「最大の懸念だ」との認識を示した。また、テドロス氏は、過去24時間に報告された新規感染者数は、中国外が中国の約9倍に上っていると説明。ただ、累計の感染者数の9割はいまだ中国が占めており、現状ではパンデミックには当たらないとの認識を示した。
本日の香港市場は、米国株の急騰とWHOのテドロス氏発言を好感するとともに、中国政府による景気支援策に対する期待の強まりが相場を支えよう。
(マーケット支援部 飯田)
買い先行の展開か
2日の中国市場で上海総合指数は3.14%高の2970.9312ptで終えた。新型肺炎の拡大に伴う景気悪化が低調な経済指標の発表により明らかになる中、中国政府が景気支援策を打ち出すとの期待が強まり、主力株を中心にほぼ全面高となった。深セン成分指数も3.65%高の11381.76ポイントと大幅反発した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで41億5200万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、中国建築(601668) 、ラックスシェア(002475) などが買い越しとなり、三一重工(600031)、江蘇恒瑞医薬(600276)、中国国旅(601888)、宜賓五糧液(000858)、杭州ハイクビジョン(002415)、珠海格力電器(000651)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、米国株の大幅反発と中国政府による財政出動に対する期待の高まりから、買い先行の展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)