26日の香港市場でハンセン指数は0.73%安の26696.49ptで終えた。前日の米国株の急落を受け、新型肺炎の世界的な感染拡大の悪影響が引き続き警戒され、ハイテクや金融などの主力株に売りが出た。香港政府が発表した2020年度の財政予算案で1200億香港ドル規模の景気対策を計上したが、上値は重たかった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、37億4600万香港ドルの買い越しだった。
26日の米国市場でダウ平均は5日続落し、前日比123ドル77セント(0.5%)安の26957ドル59セントで終え、昨年10月下旬以来の27000ドル割れとなった。連日急落した後とあって自律反発狙いの買いが先行したが、新型肺炎の世界的な感染拡大を嫌気した売りに押された。
ブラジルで感染者がみつかるなど世界各地で感染が拡大しており、本日の香港市場は、投資家のリスク回避姿勢が続きそうだ。ただ、中国政府からの景気刺激策への期待も根強く、下値は限られる展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)
押し目買い物色か
26日の中国市場で上海総合指数は3日続落し、終値は0.83%安の2987.9287ptだった。心理的節目の3000ptを割り込み、1週間ぶりの安値となった。新型肺炎の世界的な感染拡大を受けた前日の欧米株式市場の大幅な下落が中国市場にも波及したようだ。深セン成分指数は3.02%安の11497.55ptと5営業日ぶりに反落した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで67億2600万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、内蒙古伊利実業(600887)、恒生電子(600570)などが買い越しとなり、用友網絡(600588)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、珠海格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、新型肺炎を巡る報道に一喜一憂しながらも、下値では個別銘柄を物色する動きも想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)