27日の香港市場でハンセン指数は0.30%高の26778.62ptで終えた。上海・深セン株が堅調に推移したことで、香港市場でも重複上場している銘柄などに買いが波及した。新型肺炎の世界での感染拡大を受け、26日の米国市場でダウ平均が5日続落したことが嫌気され売りが先行したが、午後に入って上昇に転じた。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、43億7000万香港ドルの買い越しだった。
27日の米国市場でダウ平均は6日続落し、前日比1190ドル95セント(4.4%)安の25766ドル64セントで終え、2019年8月27日以来、半年ぶりに26000ドルを下回った。下げ幅は18年2月5日の1175ドルを上回り過去最大だった。新型肺炎の感染が世界で広がり、世界景気の下振れ懸念が強まったようだ。
本日の香港市場は、米国市場の大幅下落に加え、29日の中国2月の製造業PMIの発表を控え、足元の国内景気を見極めたいとする向きから、売り優勢の展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)
売り先行の展開か
27日の中国市場で上海総合指数は4営業日ぶりに小反発し、終値は0.11%高の2991.3288ptだった。指数が前日まで3日続落で2%近く下落し、自律反発を期待した買いが優勢となった。ただ新型肺炎の感染拡大による中国内外の経済停滞への懸念はくすぶり、上値は限られた。深セン成分指数も0.32%高の11534.02ptと反発した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで39億4000万元の売り越しだった。個別では、貴州茅台酒(600519)、恒生電子(600570)、ラックスシェア(002475)などが買い越しとなり、中国国旅(601888)、上海機場(600009)、用友網絡(600588)、珠海格力電器(000651)などが売り越しとなった。
世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は27日の記者会見で、感染について「パンデミック(世界的な大流行)になる可能性もある」と述べたと伝わっている。
本日の中国市場は、前日の欧米株安を受け、また、新型肺炎の感染拡大が世界景気に与える影響への警戒感の強まりから、運用リスクを避ける売りが先行しそうだ。
(マーケット支援部 飯田)