25日の香港市場でハンセン指数は4営業日ぶりに小反発し、終値は0.26%高の26893.23 ptだった。新型肺炎が世界各地で急増し指数が前日に1.8%下落していたため、値ごろ感から買いが優勢となった。
中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで39億4200万香港ドルの買い越しだった。
25日の米国市場でダウ平均は連日で大幅に下落し、前日比879ドル44セント(3.1%)安の27081ドル36セントで終えた。世界中で拡大する新型肺炎が米国でも広がるとの懸念が強まり、米景気と企業業績への悪影響が警戒され、銀行や資本財など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が売られた。
本日の香港市場は、連日の米株安を嫌気した売り優勢の展開が予想されよう。新型肺炎は、中国から日本や韓国、イタリアなど世界各地に感染が拡大しており、世界経済への影響も懸念されている。ただ、中国政府による景気対策への期待などが相場の下支えとなりそうだ。
(マーケット支援部 飯田)
売り先行の展開か
25日の中国市場で上海総合指数は0.59%安の3013.0501ptで終えた。前日の米株式相場の急落をきっかけとした利益確定売りが広がった。一方、医療や5Gなどの関連銘柄の上昇を受け、投資家心理が上向き、指数も下げ渋った。深セン成分指数は0.71%高の11856.08ptと4営業日続伸となった。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで48億3100万元の売り越しだった。個別では、中国国旅(601888) などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海機場(600009)、珠海格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、ラックスシェア(002475)などが売り越しとなった。
中国政府は新型肺炎の感染拡大で減速が懸念される景気を支えるため、中小企業と民間セクターに的を絞った減税と低利貸し付けを含む一連の対策を発表している。
本日の中国市場は、連日の海外市場の株安を受け、売り先行の展開が想定されよう。ただ、中国政府によるさらなる政策に対する期待感も強いと思われ、大幅な下落局面では買いが優勢となる場面も予想されよう。
(マーケット支援部 飯田)