24日の香港市場で、ハンセン指数は3営業日続落し、終値は1.79%安の26820.88ptで終えた。前週末の米株安に加え、新型肺炎の感染拡大を嫌気する売りが加速し、中国のみならず、海外での感染拡大が伝わるなか、世界経済への影響に対する警戒感が強まった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで16億6500万香港ドルの買い越しだった。
24日の米国市場でダウ平均は3日続落し、前週末比1031ドル61セント(3.6%)安の27960ドル80セントで終えた。新型肺炎の感染拡大への懸念からアジアや欧州株が大幅安となり、米国株にも運用リスクを回避する売りが広がった。
中国共産党は3/5に開幕予定だった全国人民代表大会(全人代)と3/3に開幕予定だった全国政治協商会議(政協)延期を正式に決めた。いまだに新型肺炎の収束が見通せず、新たな開幕日についてはまだ決まっていない。
本日の香港市場は、海外市場の下落を受け、売り優勢の展開となろう。
一方で、中国工業情報化部は5Gの発展を加速化させ、情報通信産業の活動再開を指示しており、5G関連に注目が集まると予想される。
(マーケット支援部 飯田)
売り先行の展開か
24日の中国市場で、上海総合指数は3営業日ぶりに反落し、終値は0.28%安の3031.23ptだった。深セン成分指数は1.23%高の11772.38ptと3営業日続伸となった。新型肺炎の感染拡大が嫌気されたほか、指数は前週末に約1カ月ぶり高値を付けた後とあって、利益確定の売りも出たようだ。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで87億500万元の売り越しだった。個別では、中国国旅(601888) などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、江蘇恒瑞医薬(600276)、上海機場(600009)、用友網絡(600588)、内蒙古伊利実業(600887)、珠海格力電器(000651)、杭州ハイクビジョン(002415)、宜賓五糧液(000858)などが売り越しとなった。
中国当局が緊急経済対策を積み増す検討(国から地方への財源移転を増加や、預金準備率の引き下げ等)
をしていると伝わっている。新型肺炎の経済へ与える影響を押さえようとする方針のようだ。
本日の中国市場は、欧米市場の大幅下落と世界景気の減速リスクを警戒した売り先行の展開が予想されるものの、個別では5G関連や医療関連を物色する動きが強まりそうだ。
(マーケット支援部 飯田)