7日の香港市場でハンセン指数は5営業日ぶりに反落し、0.32%安の27404.27ptで終えた。指数は前日まで4日続伸だったこともあり、新型肺炎の感染拡大への警戒が続くなか、週末の持ち高調整の売りに押された。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで23億1800万香港ドルの買い越しだった。
7日の米国市場でダウ平均は5営業日ぶりに反落し、前日比277ドル26セント(0.9%)安の29102ドル51セントで終えた。前日には過去最高値を更新していたため、高値警戒感が強まり、週末を控え利益確定売りが優勢となった。また、新型肺炎の感染拡大も投資家心理の重荷になった。
新型肺炎による死者は2/9までに中国本土で少なくとも811人、世界全体で813人に達し、2002-03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の死者数を超えたと伝わっている。
本日の香港市場は、米国市場の下落や新型肺炎の感染拡大を受け、全体的には売り優勢の展開となろう。
ただ、一部の医療関連や薬品関連は別の動きとなることも想定されよう。
本日は日本時間午前10時30分より中国1月のCPI、同PPIの発表が予定されている。
(マーケット支援部 飯田)
上値の重い展開か
7日の中国市場で上海総合指数は小幅に4日続伸し、終値は0.32%高の2875.9636ptだった。深セン市場の「創業板」指数が昨年来高値を上回ったことでも相場を支えた。一方で、ストックコネクトを通じた売買が売り越しに転じたことが相場の重荷となり、上値は限られた。深セン成分指数も0.10%高の10611.55ptとなった。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで33億元の売り越しだった。
個別では、中国国旅(601888)、上海機場(600009)、用友網絡(600588)、珠海格力電器(000651) などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、内蒙古伊利実業(600887)、立訊精密(002475)、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
中国本土では一部地域を除き、2/10に春節(旧正月)休暇明けで企業活動が再開されるものの、一部の工場は生産停止を延長している。こうしたなか、本日の中国市場は、中国の景気対策に対する期待感は支えになりそうだが、新型肺炎の拡大が投資家心理の重荷となり、上値の重い展開となろう。
(マーケット支援部 飯田)