4日の香港市場でハンセン指数は続伸し、終値は1.21%高の26675.98ptだった。前日の米国株やこの日の上海株の上昇を受け、投資家のリスク回避姿勢が和らいだ。時価総額の大きいテンセント(00700)やアリババ(09988)が大幅高となったことも投資家心理を改善させたようだ。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで30億4900万香港ドルの買い越しだった。うち上海経由は39億3700万香港ドルの買い越し、深セン経由は8億8800万香港ドルの売り越しだった。
4日の米国市場でダウ平均は前日比407ドル82セント高の28807ドル63セントで終えた。中国政府による積極的な経済対策への期待から、新型肺炎の感染拡大による実体経済への懸念が和らいだ。
ただ、新型肺炎の影響が中国の市民生活を支える消費関連企業にも広がりをみせており、休業延長に伴い物流も大半が停止したままで、ネット通販では配送が滞っていると伝わっている。
本日の香港市場は、米株高は好感されるものの、未だ新型ウイルス感染者数の鎮静化が見えないなか、市民生活への影響も懸念され、全体的には神経質な展開が予想されよう。
(マーケット支援部 飯田)
個別銘柄を物色する展開か
4日の中国市場で上海総合指数は3営業日ぶりに反発し、終値は1.33%高の2783.2875ptだった。新型肺炎の感染拡大への警戒は根強いが、中国人民銀行による積極的な資金供給から景気下支え策への期待が広がり主力銘柄が上昇した。深セン成分指数も3.17%高の10089.67ptと3営業日ぶりに反発した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで49億2000万元の買い越しだった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、上海機場(600009)、中国国旅(601888)、内蒙古伊利実業(600887)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)、珠海格力電器(000651)、分衆伝媒(002027) などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)などが売り越しとなった。
中国国家衛生健康委員会は5日、新型肺炎の感染状況について、全国で死者490人、感染者24324人が確認されたことを明らかにしており、未だ収束には至っていないのが現状だ。
本日の中国市場は、新型肺炎の感染状況を気にしながらも、関連性の薄いと思われる個別銘柄を選別物色する動きが想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)