3日の香港市場でハンセン指数は小幅ながら4営業日ぶりに反発し、終値は0.16%高の26356.98ptだった。新型肺炎の感染拡大による景気減速懸念が引き続き重荷となったが、売り一巡後は主力銘柄の一角に自律反発狙いの買いが入ったようだ。
中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで5億1800万香港ドルの買い越しだった。うち上海経由は5億9400万香港ドルの買い越し、深セン経由は7600万香港ドルの売り越しだった。
3日の米国市場でダウ平均は前週末比143ドル78セント(0.5%)高の28399ドル81セントで終えた。新型肺炎の感染拡大への懸念から前週末に大きく下げた反動で、幅広い銘柄に自律反発狙いの買いが入った。ただ、肺炎拡大への警戒感は根強く、午後にかけて上げ幅を縮めた。
本日の香港市場は、現時点では新型肺炎が中国のサプライチェーンに与える影響が分からず、上値は限られよう。いずれにしても、上海・深セン市場の株価動向に左右される展開が続きそうだ。ただ、新型肺炎の感染者数の鎮静化が顕著になれば、株価も落ち着きを取り戻す場面も想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)
落ち着きどころを探る展開か
連休の休場明け3日の中国市場で上海総合指数の終値は7.72%安の2746.6056ptと、約1年ぶりの安値となった。休場期間中に新型肺炎の感染が急拡大し、中国経済減速への警戒感が強まり、幅広い銘柄に売りが広がりほぼ全面安だった。深セン成分指数も8.44%安の9779.67ptと大幅続落で終えた。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで181億9100万元の買い越しだった。うち上海市場の買越額は135億9200万元、深セン市場は45億9900万元だった。
個別では、貴州茅台酒(600519)、上海機場(600009)、江蘇恒瑞医薬(600276)、内蒙古伊利実業(600887)、中国国旅(601888)、興業銀行(601166)、三一重工(600031)、珠海格力電器(000651)、杭州ハイクビジョン(002415)などが買い越しとなった。
他方、中国湖北省は4日、新型肺炎の感染者が3日に2345人、死者は64人増えたと発表した。中国本土の感染者は計19550人、死者は計425人となった。
本日の中国市場は、ストックコネクトを通じた買い越しは好感されるものの、ウイルスの感染拡大と中国のサプライチェーンに与える影響を気にした展開が予想されよう。
(マーケット支援部 飯田)