31日の香港市場でハンセン指数は3日続落し、終値は0.51%安の26312.63ptとなった。新型肺炎の感染拡大による中国経済減速への警戒感が根強く、午後に入って下げに転じた。2/3に上海・深セン市場が取引を再開する予定で、1/24からの休場期間中に新型肺炎の感染拡大が深刻化しており、重複上場する銘柄も多い香港市場では休場明け後の本土市場で売りが膨らみそうなことへの警戒が根強かった。
1/31米国市場でダウ平均は4日ぶりに反落し、前日比603ドル41セント(2.1%)安の28256ドル03セントで終えた。新型肺炎の感染拡大で世界景気の先行き不透明感が強まり、業績が景気動向に影響されやすい資本財・資源をはじめ幅広い銘柄に売りが強まった。
本日の香港市場は、新型肺炎の感染拡大警戒から大幅下落となった先週末の米国市場の流れを引き継ぎ売り先行の展開が予想されよう。
(マーケット支援部 飯田)
売り優勢の展開か
中国市場は本日から春節明けの取引を再開する。
中国人民銀行は2日、3日の公開市場操作(オペ)でリバースレポ(売り戻し条件付き債券購入)を通じて1兆2000億元(約18兆7000億円)の資金を供給すると発表した。銀行システム全体の流動性が前年度に比べ9000億元多くなる見通し。取引を再開する株式や人民元相場を側面支援する狙いもあろう。
また、中国証券監督管理委員会は、国内の証券各社に対して、本日は顧客の空売りを禁止するよう口頭で指導したとも伝わっている。
中国では、春節休暇期間中に店舗の営業停止や企業の休業措置が実施されており、経済に及ぼす影響が懸念されており、売り優勢の展開となろう。
なお、日本時間午前10時45分に中国1月の財新製造業PMIが発表される予定。
(マーケット支援部 飯田)