21日の香港市場でハンセン指数は大幅続落し、2.81%安の27985.33ptとなった。武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎で人から人への感染を中国政府の専門家チームトップが認め、リスク回避を目的とした売りが広がった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)も、成約ベースで7600万香港ドルの売り越しとなった。
21日の米国市場でダウ平均は6営業日ぶりに反落し、前週末比152ドル06セント(0.5%)安の29196ドル04セントで終えた。中国の新型肺炎の感染拡大への懸念が売りを誘ったようだ。
新型コロナウイルスを巡っては、日本時間午前11時に中国国家衛生健康委員会が予防などに関して記者会見を開く予定と伝わっており、その内容に注目が集まろう。
個別では、引き続き医療関連銘柄が物色される反面、春節の連休前ということもあり、高値圏で推移していた銘柄の利益確定売りも想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)
個別銘柄物色の展開か
21日の中国市場で上海総合指数は3日ぶりに反落し、終値は1.40%安の3052.1419ptだった。武漢市を発生源とする新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大の報道を受け、運用リスクを回避する売りに押された。深セン成分指数も1.46%安の10953.41ptと反落した。香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで71億2700万元の売り越しだった。
個別では、上海機場(600009)、内蒙古伊利実業(600887) などが買い越しとなり、貴州茅台酒(600519)、中国国旅(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)、三一重工(600031)、宜賓五糧液(000858)、珠海格力電器(000651)、杭州ハイクビジョン(002415)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感から、全体的に弱含む展開となろう。ただ、関連性の薄いと思われる業種や銘柄については、予想以上に深押した局面では買い戻しの動きも想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)