20日の香港市場でハンセン指数は0.89%安の28795.91ptで終え、心理的節目の29000ptを下回った。湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の感染者拡大を受けて、旅行客数が減少するとの懸念からマカオのカジノ株や空運株が大幅に下落した。今週末からの春節(旧正月)の大型連休(24日後場から28日まで香港市場休場)を控え、利益確定売りも出やすかった。中国本土から香港株に投資する「港股通」(サウスバウンド・トレーディング)は、成約ベースで8億6300万香港ドルの買い越しだった。
米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは同日、香港の債務格付けを引き下げた。「反政府行動に対する行政の対応が欠如している」ことを理由に挙げている。
本日の香港市場は、新型コロナウイルスの感染者拡大を受けて、明暗の別れる展開か。旅行やレジャー関連、外食関連が弱含む一方で、医薬品関連や5G関連中心の物色が横に広がる可能性も想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)
個別銘柄物色の展開か
20日の中国市場で上海総合指数は0.65%高の3095.7873ptとなった。中国人民銀行が連日で金融市場に多めの資金を供給したのが支えとなったとともに、深セン市場の創業板指数が約3年ぶり高値を付け、投資家心理が上向いたようだ。また、新型コロナウイルスによる肺炎の感染者数急増受け、需要が増えるとの思惑が広がり、抗生物質やワクチンなどの医療関連株に買いが目立った。
深セン成分指数は1.47%高の11115.88ptと5営業日ぶりに反発した。
香港から中国本土株に投資する「滬股通(上海コネクト・ノースバウンド)」と「深股通(深センコネクト・ノースバウンド)」は、合わせて成約ベースで41億9300万元の買い越しだった。
個別では、中国国旅(601888)、珠海格力電器(000651)、宜賓五糧液(000858)、美的集団(000333) などが買い越しとなり、江蘇恒瑞医薬(600276)、貴州茅台酒(600519)、上海機場(600009)、華域汽車(600741)などが売り越しとなった。
本日の中国市場は、引き続き、医療関連や保険関連、5G関連の物色が想定されるものの、春節の大型連前とあって、高値では利益確定売りも想定されよう。
(マーケット支援部 飯田)