香港市場
【9月回顧】ハンセン指数は約11年ぶりの安値
米国の大幅な利上げ継続や米中関係の悪化などを背景に、香港市場は下落基調が続いた。ハンセン指数は23日に18,000 ptを割り込み、約11年ぶりの安値を付けた。米FRBの9月会合では、3会合連続となる0.75%の大幅利上げを決定し、積極的な利上げを続ける意向も示唆した。米国の利上げ継続を受け、中国からの資金流出(米ドル高・人民元安が進行)、世界的な景気後退への懸念が広がった。
個別銘柄では、薬明生物技術(02269)や百度集団(09888)などグロース株の下落が顕著だった一方、中国移動(00941)などバリュー株は堅調に推移した。
【10月見通し】市場センチメントの改善を待つ局面
10月の香港市場は、底堅い展開になろう。
欧米の大幅利上げ継続による世界的な景気後退懸念など香港株を取り巻く外部環境に多くの懸念要素が存在。投資家の慎重姿勢が目立っており、現在は市場センチメントの改善を待つ局面にある。ただ、香港株は大きく下落していただけに自律反発狙いの買いが入りやすく、中国マネー流入継続の見込みも相場の支えになろう。9/26から香港のコロナ規制が緩和され、地元株にプラスに働こう。16日から中国共産党大会が開幕する。当局の政策発表などをきっかけに、買戻しの動きが強まる可能性もあろう。
なお、4日は重陽節で休場となる。
(9/23記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【9月回顧】上海は4カ月ぶり安値、売買代金低調
9月の中国市場は下旬にかけて大幅下落。上海総合指数は23日に約4カ月ぶり安値の3,072ptまで売られた。深セン成分指数も同日に10,899ptまで下落。米利上げを背景とした対米ドルでの元安基調(約2年3カ月ぶりの安値水準)や景気減速懸念などが相場の重しとなった。中国政府は経済成長の下支え策の実行加速を強調するが効果は限定的。1日当たり売買代金(上海+深セン)が6000億元台の日も多く、1兆元超の日も目立った8月と比べて流動性が細った。海外勢は前月の127億元買い越しから一転、170億元(9/23まで)の売り越しに転じた。
【10月見通し】自律反発を想定、決算動向に注目
10月の中国市場で各指数は自律反発の展開か。上海総合指数は3,200pt、深セン成分指数は12,000ptを目指す動きとなろう。中国共産党大会(16日開幕)の前後に消費促進策など具体的な景気対策が打ち出されれば、9月に売り越した海外投資資金の再流入のきっかけになるだろう。月後半に集中する7~9月決算発表を機に業績相場の側面も見られよう。最大40.7%増益見通しを発表済みの歌爾(002241)は、海外売上比率が約9割で元安進行による恩恵も受けそうだ。
3日から7日までは国慶節関連の祝日で休場。
(9/23記:上海駐在員事務所 山藤)