香港市場
【8月回顧】薄商いで、市場は軟調
ペロシ米下院議長の台湾訪問による米中関係の悪化や中国景気の減速懸念などを背景に、香港市場は軟調な動きが続いた。ハンセン指数は23日に、5月12日以来の安値を更新した。23日時点、香港メインボードの売買代金は15日連続で1000億HKD割れの薄商いとなり、投資家の慎重な姿勢が目立った。サウスバウンド経由の中国マネーの買い越し額も約88億HKDにとどまっている。
個別銘柄では、業績が悪化した小米集団(01810)が下落した一方、堅調な業績を発表した中国移動(00941)など通信大手は軒並み高となった。
【9月見通し】底堅い展開を予想
9月の香港市場は、底堅い展開となりそうだ。
中国の景気減速懸念や米FRBの大幅利上げ見通しなどが相場の重荷となり、投資家のリスク回避姿勢が強まる可能性には注意を払う必要がある。ただ、値ごろ感・割安感(8/23時点、ハンセン指数のPBRは0.8倍、予想PERは10.0倍)から押し目買いが入りやすく、下値余地は限定的と考える。
6月中間期決算発表のシーズンが終わり、業績を評価する個別物色の動きは続きそうだ。京東集団(09618)など好決算銘柄に注目したい。
百度集団(09888)など4 銘柄が5日付でハンセン指数に新規採用。12日は中秋節の翌日で休場。
(8/23記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【8月回顧】前半下落も切り返し、景気懸念は重し
8月の中国市場は売り優勢でスタート。ペロシ米下院議長の台湾訪問による米中対立の激化などを受け、上海総合指数は2日に約2カ月ぶり安値の3,155ptまで売られた。深セン成分指数も同日12,008ptまで下落。猛暑による電力不足や新型コロナの感染再拡大で景気減速懸念の高まりも売り材料となった。一方、中国人民銀行が22日、LPRの1年物を3.70⇒3.65%、5年物を4.45⇒4.30%に引き下げ、金融緩和姿勢をさらに強めたことは相場の下支え材料に。7月に210億元を売り越していた海外投資資金も74億元(8/23まで)の買い越しに転じた。
【9月見通し】値固めからの上昇か、消費に注目
9月の中国市場で各指数は値固めから上値を目指す展開となりそう。上海総合指数は3,350pt、深セン成分指数は13,000pt回復も視野に入ろう。夏場に観光地を中心に感染再拡大した新型コロナが落ち着きさえすれば、秋の行楽シーズンに向けて旅行・消費関連株が見直される動きもありそうだ。
米アップルが7日、「iPhone 14」などの新製品発表イベントを開催予定。中国での注目度は高く、OEMメーカーの歌爾(002241)や立訊精密工業(002475)などの値動きに注目したい。
12日は中秋節関連の祝日で休場。
(8/23記:上海駐在員事務所 山藤)