2023年の中国株式市場は、年前半は経済再開などを背景に上昇したが、その後は新築住宅販売が下げ止まらないことやデフレなど景気減速の懸念で下落基調にあった。個別銘柄のパフォーマンスはまちまちで、テック系やEV関連の一部が逆行高だった半面、消費、新エネや不動産関連などの大半が軟調だった。
小米が上昇率トップ、テック系やEV関連で明暗
当社アナリストのカバレッジ47銘柄(香港上場株25銘柄、上海A株11銘柄、深センA株11銘柄)を対象に、22年末終値から23年12月22日終値までの騰落率を算出し、パフォーマンスの上位と下位15銘柄を下表に記載した。
注目されているテック系はまちまちだ。小米集団(01810)は前年の大幅下落の反動やスマホ市場の持ち直しで、上昇率1位となった。上昇率2位は生成AIの恩恵を受ける科大訊飛(002230)で40.0%高。電子部品の歌爾(002241)も前年の最下位から上位に返り咲いた。テック系の中で、網易(09999)は22年11月から反発し23年12月中旬まで上昇率上位にあったが、当局のオンラインゲーム規制強化方針を受け12月22日に24.6%大幅安となった。百度集団(09888)は同日に小幅安にとどまり、年間ではほぼ横ばいも、全体では上位に入った。一方、京東集団(09618)と美団(03690)は低迷し、株価はいずれも前年末の半値以下となった。
EV関連でも明暗が分かれている。浙江三花智能控制(002050)は世界的な電気自動車の需要増の恩恵を受け、上昇率3位の35.9%上昇だった。ただ、EV競争激化などの要因で、勝ち組の比亜迪(01211)ですらボラティリティが高い展開となり、結局5.2%高にとどまった。一方、吉利汽車控股(00175)は前年に続き30%超の下落と不振だった。また、送配電関連では、思源電気(002028)と国電南瑞科技(600406)は堅調だった。
消費、新エネや不動産関連は低調だった。中国旅遊集団中免(601888)は下落率1位に転落。新疆金風科技(02208)は下落基調が続き下落率5位となり、隆基緑能科技(601012)も49.8%安となった。不動産市場は低迷を続け、万科企業(02202)は下落率3位となった。
(投資情報部 呉)