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今月の特集記事【銘柄インサイト】「大模型」が起爆剤となり、AIGC市場は急拡大へ ~百度集団(09888/Z9041)~

23年は生成AI元年と言えよう。ChatGPTが火付け役となり、世界中で生成AIと「大模型(大規模モデル)」のブームに沸いている。中国では大模型が急増し、その多くは産業向けに偏る特徴がある。生成AI関連銘柄の年初来の値動きを見ると、米国と中国本土市場では大きく上昇したが、香港市場では出遅れ感が強い。

中国で「大模型」が急増、百花繚乱状態

中国AIGC市場規模の推移と見通し

米OpenAI社のChatGPTが火付け役となり、世界中で生成AI(入力したプロンプトに対して、適切な文章、画像や動画などを自動的に生成する人工知能)とその基盤技術である「大模型」のブームに沸いている。中国ではメガテック企業を始め、幅広い事業者・研究機関が大模型分野に参入し、百花繚乱状態になっている。中国工業・情報化部傘下の市場調査会社、賽迪顧問によると、7月末時点までに中国では計130の大模型が発表され、世界全体の48.5%を占めた。中国で生成AI技術と大模型が急拡大する背景には、これまで国策レベルの取り組みでAI産業が既に基礎を築いていたことがある。中国政府は、15年に初めてAIを国の重点任務の1つとして取り上げ、17年に発表された「次世代AI発展計画」ではAIの核心産業の市場規模を25年に4000億元以上、30年には1兆元以上に拡大させる野心的な目標を掲げた。その後も一貫して国策としてAI産業を強力に推進。日本経済新聞社がAIに関する学術論文や学会論文(12~21年)を対象とした調査分析によると、中国は19年から論文の量・質とも世界首位となっている。

大模型は生成AIの性能を著しく高めた。なお大模型は劇的な進化が続いており、生成AIの性能の更なる向上が見込まれる。中国では、さまざまな産業における大模型の実装拡大が急ピッチで進んでおり、大模型はAIGC(AI生成コンテンツ)市場拡大の起爆剤になろう。調査会社のiResearchによると、中国のAIGC市場規模は22年にわずか25億元だったが、大模型エコシステムの形成や幅広い分野における応用拡大などに伴い、25年に1223億元、30年には1兆1441億元に急拡大する見通し。

クラウドと融合、法人向けビジネスへの注力が特徴

中国の大模型は産業向けに偏るとの特徴がある。各社は、生成AI技術を自社製品・サービスに取り込む(既存業務の再構築)ほか、法人向けビジネスにフォーカスする戦略を取る。BATH(百度、アリババ、テンセント、ファーウェイ)のようなメガテック企業は、大模型エコシステムの構築に注力する。「MaaS」(Model as a Serviceの略語、サービスとしてのモデル)という新しいビジネスモデルを提唱し、クラウドサービスとAI技術の融合を進め、クラウド上で大模型プラットフォームの構築、顧客企業にカスタマイズ・サービスの提供に取り組む。また、自社の得意分野に特化する大模型の構築に注力する企業も多い。金蝶国際軟件(00268)はERP(企業資源計画)、閲文集団(00772)はネット文学、金山軟件(03888)傘下の北京金山弁公軟件(688111)はオフィスソフトに特化する大模型を提供している。汎用的な能力を持つ大規模基盤モデルは、トレーニングで莫大な計算資源が必要となるため、今後集約化が進むと見られるが、業界特化型の大模型や応用分野で活躍する企業の裾野は広がりそうだ。

「大模型(大規模モデル)※」に取り組む主要企業・大学・研究機関

百度は競争優位にあり、「文心大模型4.0」を発表

米中生成AI関連銘柄の株価推移

百度は10年からいち早くAI分野に注力。現在は、AIチップ、ディープラーニング(深層学習)や自然言語処理などAI技術をフルスタック(領域横断)で携わる世界有数の企業となっている。オープンソースのディープラーニング・フレームワーク「PaddlePaddle」における開発パートナーは8月に800万に達し、中国最大規模を誇る。10月17日のイベントで、最新版の「文心大模型4.0」を発表した。李彦宏CEOは、「理解、生成、ロジック及び記憶の能力は著しく向上し、性能は米OpenAI社の「GPT-4」に全く遜色ない」と述べた。イベントでは、生成AIで検索や地図など自社サービスを再構築する成果を披露したほか、大模型プラットフォーム「千帆」(サードパーティーのモデルを含め、42の大模型を提供)やAIアプリケーション開発のためのツール整備など、開発パートナーや顧客企業が簡単に生成AI技術を活用できるエコシステムの構築への取り組みも紹介された。

香港上場の生成AI関連銘柄の出遅れ感は強い

生成AI関連銘柄の年初来株価推移を見ると、米国上場のマイクロソフトとアルファベットは総じて右肩上がりが続いている。中国本土上場の科大訊飛(002230)と三六零安全科技(601360)は急騰後に大きく下落したが、年初来では大きく値を上げた。一方、香港上場の百度とアリババは冴えない動きが続いており、生成AIはテーマとしてあまり好材料視されておらず、出遅れ感が強いと言えよう。百度など香港上場の中国のメガテック企業は、主力事業の回復基調が続いているほか、有望視される大模型・生成AI分野でも競争優位性を持っているため、注目に値すると考える。

百度MaaSの概念図

(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)

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