2020年の銘柄パフォーマンスは、コロナ禍がもたらした新しい生活様式に適応できた企業が上昇率上位に並んだ。消費者の購買行動に合わせ、銘柄選択でも「外から内へ」の流れが進んだ。中でも、ソフトウェアやクラウドなど"巣ごもり"関連や、免税店や医薬関連株の上昇が目立った。
新エネ・クラウド・医薬の上昇目立つ
当社アナリストのカバレッジ48銘柄(香港上場株26銘柄、上海A株11銘柄、深センA株11銘柄)を対象に、19年末終値から20年12月18日終値までの騰落率を算出し、パフォーマンスの上位と下位15銘柄を下表に記載した。
BYD(01211)は19年の下落率4位(-24.5%)から上昇率1位(+376%)へ急浮上した。自主開発の「ブレードバッテリー」を搭載した高級EV「漢」の販売好調などが市場の話題になった。金蝶国際軟件(00268)、金山軟件(03888)、用友網絡科技(600588)などクラウド関連株の上昇も目立つ。いずれも"巣ごもり需要"の恩恵を受けた形だ。
フードデリバリー事業が好調だった美団(03690)、スマートフォン市場でのシェアを着実に拡大した小米集団(01810)は株価がいずれも約170%上昇。薬明生物技術(02269)はワクチン関連株として物色された。中国旅遊集団中免(601888)は、海南島での離島免税政策の見直し(7月)や、年末にかけての免税品販売増などが好材料視された。宜賓五糧液(000858)、海底撈国際控股(06862)は堅調な個人消費に後押しされたようだ。
一方、AACテクノロジーズ(02018)はスマホ市場の不振や業績悪化により下落率が37%とワースト1位。中国鉄塔(00788)と長飛光繊光纜(06869)は、5G向けビジネスが堅調だったものの、大きなサプライズはなく株価の反応も鈍かった。不動産大手の万科企業(02202)と製薬大手の石薬集団(01093)は政策変更の影響を受けてさえない展開。米中対立激化で、大族激光科技産業集団(002008)、啓明星辰信息技術集団(002439)は低調なパフォーマンスとなった。行動自粛の広がりを受け、同程藝龍控股(00780)や銀河娯楽集団(00027)は伸び悩んだ。
(マーケット支援部 林)