市場心理の好転が相場の下支え要因になりそう
6/2~6の米国株式市場は、一進一退の展開を想定。
5/27の米国株式市場は大幅高。トランプ大統領は欧州連合(EU)からの輸入品に50%の関税を6/1から課すとしていたが7/9まで延期するとしたことや、同日にコンファレンスボードが発表した5月の消費者信頼感指数は98.0と前月の85.7を大きく上回る強い結果となったこと等が好感されたようだ。貿易摩擦の緩和が消費者心理の改善に繋がったようで前月比プラスは6カ月ぶりであった。
米個人投資家の見通しにも変化がみられる。米国個人投資家協会(AAII)が5/22に発表した調査によると、個人投資家の弱気な見方は3週間連続で低下している。市場心理の好転は今後の相場の下支え要因となりそうだ。
経済指標では、6/6に5月雇用統計が発表される予定。前回の4月の統計は、相互関税発表後の状況が一部反映された初の雇用統計であったが堅調な内容であった。ただ、足もとではウォルマート(WMT)やナイキB(NKE)等がレイオフに踏み切る動きがみられる。関税の引き上げのコストを価格転嫁する内容によっては雇用に下押し圧力がかかる可能性がある。もっとも、労働市場の悪化が確認されれば、FRBによる利下げ期待を市場に呼び戻すことも考えられよう。
6月は金融セクターに注目したい。FRBは大手銀行を対象とするストレステストの結果を6月に公表する予定。例年、公表後に多くの米銀行が増配を打ち出しており、今年も健全性を踏まえた上で各社が余剰資本を株主に還元する可能性があろう。また、現在の高金利環境の長期化も銀行株の追い風になっているとみる。
(5/28記 投資情報部 岩井)