FOMCを控え方向感を探る展開
3/18-3/22の米国株式市場は、連邦公開市場委員会(FOMC)を3/19-20に控え、方向感を探る展開を想定する。
米連邦準備制度理事会(FRB)をはじめ各国の中央銀行は今年に入り矢継ぎ早な政策運営により経済の下振れリスクの軽減に着手している。米国で経済指標の強弱が交錯する展開となり、FRBの金融引き締め姿勢が和らぐにつれ、他国の中央銀行に対する利上げ圧力も弱まっている。英国やカナダでは利上げ先送り観測が浮上しているほか、インドはいち早く利下げを行っている。オーストラリアも利下げが想定されているようだ。欧州中央銀行(ECB)は19年のインフレ率予想を1.6%から1.2%に引き下げ、GDP成長率予想は1.7%から1.1%に下方修正した。パウエル議長は3/10放送の米TV番組のインタビューで中国や欧州に加えて英国の欧州連合(EU)離脱交渉などのイベントを見守ると言明している。
米国の予算教書から見た注目セクター
3/11に4.7兆ドルの2020年度予算教書をトランプ政権が提案、昨年同様に経済が拡大を続けると仮定し2020年は3.1%、2021年は3.0%の成長見通しとした。Bloombergの成長見通しは2020年1.9%、2021年は1.8%と大きく開きがあることから、全体予算の成立は難航することが考えられる。一方で、サイバーセキュリティなど大幅な予算配分の増加を提案している分野が注目されよう。パイパージャフレーが行った2019年度に企業がサイバーセキュリティの製品に対する支出の見通しに関するアンケートでは、シングルサインオンやデータ喪失防止、エンドポイントセキュリティが上位となった。今後の投資の参考となりそうだ。オクタ(OKTA)、ゼットスケーラ-(ZS)、スプランク(SPLK)、パロアルトネットワークス(PANW)などの関連銘柄に注目したい。
(3/14記 マーケット支援部 佐藤)