・デフレ脱却、東証による企業改革の後押し等を前提に、年末に向け史上最高値を窺う場面も
・24年は半導体市場の底打ちを想定し、グロース株復活の年になると見る
・辰年相場で日経平均は4勝2敗、平均騰落率は27.96%と干支別で最高。政治イベント多い印象
史上最高値を試す場面も
2024年の日本株式市場で、日経平均は強いデフレ脱却期待、東証による継続的な経営改革の要請、新NISAをきっかけとした貯蓄から投資への転換の可能性などを前提に、年末に向け史上最高値を窺う場面もありそうだ。
不透明な外部環境は懸念材料だが、逆に日本のプレゼンスを高めることになろう。日経平均の予想レンジは30,000~38,500円程度を想定。
グロース株復活の年になると見る
24年は日銀の金融政策の正常化が予想され、それに伴い緩やかな円高が見込まれる。23年のような円安の追い風はなくなることを前提とした銘柄選別が必要になろう。
23年はバリュー株が優勢だったが、24年は半導体市場の底打ちを想定し、グロース株復活の年になると見る。生産の国内回帰や人手不足を背景とした省力化投資など、設備投資関連も大きなテーマになりそうだ。
政府は11月に「デフレ脱却のための総合経済対策」を閣議決定。財政支出が「物価と賃金の好循環」の実現を後押ししよう。
来期(25/3期)の企業業績に関しては、為替や米・中経済の動向等に不透明感は残るが、交易条件の改善や価格転嫁による利益率改善が増益を可能にしよう。
辰年の平均騰落率は干支別で最高
2024年は辰年。もう少し詳しく言うと「甲辰(きのえたつ)」となる。「甲」は生命や物事の始まりや成長を、「辰」は自然万物が振動し草木が成長して活力が旺盛になる状態を表すようだ。政治に関係するイベントが多い印象で注意が必要か。
干支にちなんだ相場格言は「辰巳(たつみ)天井」。実際に「辰」は十二支の中で最高のパフォーマンスとなっている。
戦後の東証再開以来の辰年相場は過去6回あるが、日経平均は4勝2敗。平均騰落率は27.96%に。
1952年は朝鮮動乱を背景にした株式ブームで約2.2倍の大幅高、1988年はバブル相場で約4割高に。巳年に向けた、さらなる飛躍に期待したい。
(12/20記 投資情報部 大塚)