【世界市場の見通し】日本が値固め、米国は底堅く、中国は堅調推移か
4/3~7の世界市場では、日本が値固め、米国は底堅く、中国は堅調推移とみる。
日本株式市場は、値固めの展開を想定。欧米の金融システム不安は残るものの、各国金融当局が対応策を打ち出しており、過度な懸念は不要か。積極的な上値追いは想定しにくいが、名実共に新年度入りすることで需給好転が期待されよう。下落傾向にある原油価格は日本にとって好材料だが、4/3のOPECプラスの動向には留意が必要か。
米国株式市場は、底堅い展開か。FRBの金融規制担当副議長のバー氏は3/27、「必要があればすべての手段を使う用意がある」との立場を表明。シリコンバレー銀行の買収先が決まった(3/26)こともあり、市場に安心感が広がっている。3月半ばに30に迫ったVIX指数は足もと20付近まで下がってきた。また、利上げ停止が近いとの見方から米10年債利回りは低位に留まり、株式相場を下支えしよう。
中国株式市場は堅調か。通販大手のアリババ(09988)は6つの事業グループに再編した持ち株会社に移行すると発表。3/28の同社株価は米国で前日比14%上昇。政府の「デジタル中国の建設計画」で恩恵を受けるIT関連銘柄は、このニュースで勢いづくことも考えられる。3/28のハンセン指数の予想PERは9.3倍と、14年以降の予想PER下限付近に近付いており、割安感から反発しよう。
(3/29記 投資情報部)
【日本株投資戦略】名実共に新年度入りで需給好転が期待されよう
4/3~7の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
欧米の金融システム不安は残るものの、各国金融当局が対応策を打ち出しており、過度な懸念は不要か。積極的な上値追いは想定しにくいが、名実共に新年度入りすることで需給好転が期待されよう。下落傾向にある原油価格は日本にとって好材料だが、4/3のOPECプラスの動向には留意が必要か。
米SVBが3/10に経営破綻したこと等を受け日経平均は急落し、3/16にはザラ場で26,632円まで下落する場面があった。3月第3週(3/13~17)の投資部門別売買動向を見ると、海外投資家は2兆3730億円の大幅売越し(現物+先物、データはQUICK)で、一気にポジションを整理したもよう。その一方で、個人投資家は1兆944億円の大幅買越し(同)となり、現物では7542億円の大幅買越しに。個人の投資意欲の強さと冷静な投資行動を評価すべきだろう。
岡三(8609)は3/24、2023年4月から28年3月までを対象期間とする中期経営計画を発表し、株主還元方針の中でPBRが1倍を超えるまで年間10億円以上の自社株買いを中計期間において継続して実施する方針を発表した。このような対策が増えることになれば、日本株全体の底上げに繋がることになると思われ、その広がりに期待したい。
日経平均の銘柄の定期見直しが4/3に実施される。採用はOLC(4661)、ルネサス(6723)、JAL(9201)の3銘柄、除外は東洋紡(3101)、日軽金HD(5703)、東邦鉛(5707)の3銘柄。入れ替えは4/3の算出から。
(3/29記 投資情報部 大塚)