【世界市場の見通し】日本は神経質、米国と中国は底堅いとみる
3/20~24の世界市場では、日本は神経質、米国と中国は底堅いとみる。
日本株式市場は、神経質な展開を想定するも、今回の調整は以下に挙げる理由から、押し目買いの好機と捉えたい。①米当局が銀行の破綻に迅速に政策対応すると予想されること、②売りの主体は投機的な短期の先物売買であると思われること、③国内経済の本格的な再開が期待されることなど。
米国株式市場は、底堅い展開か。FOMC(3/21~22)にて、FRBのタカ派(物価安定重視)姿勢の弱まりが確認されれば、株式市場に徐々に安心感が広がろう。利上げ打ち止めや量的引締めペースの緩和等、金融システム安定化に向けた施策に期待したい。不安定さは残るとみられるため、キャッシュリッチ企業やディフェンシブ銘柄を選好したい。
中国株式市場は、堅調さを維持しよう。米銀行の相次ぐ経営破綻による国際金融市場への影響が引き続き警戒されよう。香港市場はその影響を受けやすいものの、サウスバウンド経由のチャイナマネーの流入は下支えとなろう。一方、中国国内投資家主体の中国本土市場への影響は限定的なものにとどまると考える。FOMCでFRBの姿勢がハト派寄りにシフトすると受け止められれば、米ドル安・人民元高に振れやすく、中国株にはプラスに働こう。
(3/15記 投資情報部)
【日本株投資戦略】今回の調整は押し目買いの好機と捉えたい
3/20~24の日本株式市場は、神経質な展開を想定する。
外部環境の急変を受け、投資家のリスク許容度が低下。日経平均は大幅な下落場面となった。日経平均は3/3~9の5営業日で1,124円ほど上昇していたことや、米銀の破綻による信用不安が欧州に飛び火したこと、米FRBが3月のFOMCで大幅な利上げを見送るとの観測が浮上し円が買われやすい地合いとなったことも影響したと思われる。
もっとも、今回の調整は以下に挙げる理由から、押し目買いの好機と捉えたい。①米当局が銀行の破綻に迅速に政策対応すると予想されること、②売りの主体は投機的な短期の先物売買であると思われること、③国内経済の本格的な再開が期待されることなど。
加えて、東証が継続的にPBR(株価純資産倍率)が1倍を割れている会社に対して改善に向けた方針や具体的な取組などの開示を求める方向であることも、日本株を下支えする材料になりそうだ。東証の求めに呼応するように、大日印(7912)は3/9に2023年度から始まる3カ年の新たな中期経営計画の骨子を発表。その中で、PBR1倍超の早期実現の達成を目標として掲げた。
3月決算銘柄の権利付き最終売買日は3/29。翌3/30は権利・配当落ち日となるが、市場予想やQUICK予想を見ると配当落ち分は日経平均ベースで250円程度になりそうで、影響がそれなりに大きい点には留意が必要か。
(3/16朝記 投資情報部 大塚)