【世界市場の見通し】世界市場は方向感を探る展開か
11/29~12/3の世界市場は日米中共に方向感を探る展開か。
日本株市場は値固めの展開を想定する。供給問題による企業収益圧迫を懸念する向きもあるが、政府の経済対策と需給面が相場を下支えしよう。11/19、政府は経済対策を閣議決定した。財政支出規模は55.7兆円規模となりGDPを5.6%程度押し上げる見通し。加えて11月下旬から12月上旬が3月決算企業の中間配当支払い時期にあたり、配当分の再投資にも期待できそうだ。
米国株市場はもみ合いの展開か。ブラックフライデー、サイバーマンデーが通過し、結果に関連する発表や報道が注目されよう。パウエル議長がインフレに対する対処を重視する姿勢を示したことで、米長期金利が上昇しており、ハイテク株が売られる反面、バリューが買われるというセクターローテーションが起きている。今週売りに押されたSaaS系の決算が予定されており、注目されそうだ。
中国株市場はまちまちの展開か。市場予想を下回ったアリババの決算とデータ税導入の可能性がネット企業の今後の展望に影を落としそうだ。中国人民銀行金融政策委員会のメンバーが中国の10~12月のGDP成長率が4%を下回る可能性を示唆した。11/30のPMIの改善は難しいと予想されるが、金融当局は既に短期金利を下に誘導し始めたようだ。金利低下が相場を下支えか。
(11/24記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】目先の材料で株価下落なら、仕込み場と
11/29~12/3の日本株式市場は、値固めの展開を想定する。
足もと、株式市場は日経平均で29,200~30,000円程度のレンジで、もみ合いを続けている。その背景には、供給制約による売上の伸び悩みや原材料価格の上昇によるコスト増が利益成長を抑えるといった懸念材料があるように思われる。期末に向けた収益環境に不透明感が残るということか。
もっとも、いずれの問題も、コロナ禍からの経済正常化の過程で発生している部分的な供給問題とみる。不確実性は残るものの、ボトルネックは早晩解消される方向にあると思われ、過度に悲観する必要はないと考える。TOPIXコア30は年初来高値圏近辺で推移しており、大型株への物色がみられる。地合いは悪くないと言えそうだ。財政政策が強化され景気悪化リスクが抑制されていると思われる状況において、目先の材料で株価が下落するような場面があれば、年末相場に向けた仕込み場としたい。新型コロナの新規感染者数が低水準で落ち着いていることもポジティブ材料か。
政府は11/19、経済対策を閣議決定。財政支出は55.7兆円、民間資金を加えた事業規模は78.9兆円に。今回の経済対策により実質GDPを5.6%程度押し上げる見込み。
国内企業の配当金支払いも注目されよう。11月下旬から12月上旬にかけて3月決算企業の中間配当金の支払い時期となるため、その一部は株式市場に再投資されるものと見られる。
年末にかけ新規上場(IPO)を予定する企業が増加している。11/30~12/27に33社が上場する見込み(11/24時点)で、昨年の同時期を上回る勢いに。
(11/24記 投資調査部 大塚)