【世界市場の見通し】世界市場は比較的確りの展開か
11/8~11/12の世界市場は比較的確りの展開か。
日本株市場は上値余地を探る展開を想定する。総選挙という重要イベントを波乱なく通過したことで、上値は軽くなると考える。大規模な経済対策等の策定・成立に期待したい。企業決算発表も佳境を迎えるが、上方修正企業が多く比較的順調と考える。海外主要株式市場に比して出遅れ気味なパフォーマンスの改善も期待されよう。
米国株市場は好調な企業業績を背景にじり高か。ただしアップル、アマゾンの決算が予想を下回ったこと、テーパリング開始後金利が上昇する可能性もあることには注意が必要か。3Q GDPは自動車の不調が響くが、自動車の受注動向は安定しており需要先送りの側面が大きいと考える。NRF(全米小売業協会)の予想によれば、年末商戦の売上高も前年比8.5~10.5%の伸びが期待される。米GDPの4Q以降の持ち直しに期待したい。またサプライチェーンで重要なマレーシアやベトナムには既に回復の兆候が見られる。
中国株市場は堅調な展開を予想。「6中総会」や「独身の日」セールが予定され、新エネや半導体などの国策関連銘柄やネット通販関連に注目が集まろう。また10月の経済指標の内容次第では、景気減速リスクへの対応として、テコ入れ策への期待感が高まる可能性もありそうだ。
(11/2記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】選挙は株式市場にとってポジティブな結果とみる
11/8~11/12の日本株式市場は上値余地を探る展開を想定する。総選挙という重要イベントを波乱なく通過したことで、上値は軽くなると考える。海外主要株式市場に比して出遅れ気味なパフォーマンスの改善が期待されるところか。
注目の衆院選は自民党が公示前に比べ議席を減らしたものの、単独で国会を安定的に運営するためのいわゆる「絶対安定多数」の261議席を確保した。これは自民党への信任と言えそうで、政権基盤が固まったと考える。今後、株式市場はこれをポジティブに評価することになろう。大規模な経済対策等の策定・成立に期待したい。
決算発表は今まさに佳境だが、業績は新型コロナからの回復や消費の復調で上期は総じて各社とも好調な印象か。QUICKの調べ(東証1部の3月決算企業、11/1時点)によれば、会社予想の22/3期の純利益は前期比39.55%増が見込まれ、期初予想に対して6.48%の上振れとなったもよう。通期予想に関しては83社が下方修正した一方で、356社は上方修正した。決算発表の本格化で下期に対する不透明感が後退すれば、日経平均は再度高値を意識することになりそうだ。
一部銘柄が半導体等の供給不足により通期予想を下方修正したり、上方修正しても市場予想に届かなかったというような理由から売られるケースが散見されたが、需要不足ではない点に注意すべきか。株価への影響は短期的なものと考える。
(11/2記 投資調査部 大塚)