【世界市場の見通し】日本がもみ合いの中、米中が比較的確りか
8/30~9/3の世界市場は、日本がもみ合いの中、米中が比較的確りか。
日本株はもみ合いの展開を想定する。引き続き、新型コロナの状況や外部環境をにらみながらの値動きとなろう。このところ先物主導による仕掛け的な売買で株価が値幅を伴い下落する場面が散見されるが、中長期的な投資という観点から、押し目は買い場であると捉えたい。
米国株はジャクソンホールの会合(8/27)で過度に金融引締め懸念が高まらない限り、財政政策への期待感が相場を下支えしよう。ペロシ下院議長と民主党中道派に一定の妥協が成立したことが好感されよう。またSaaS系企業の決算が多く予定される。パロアルトネットワークス(PANW)の好調な決算を受け、サイバーセキュリティ関連が物色されている。決算発表控え他のSaaS系企業に物色が広がるかに注目か。
中国株は最悪期脱したか。中国株は外国人の売りや突発的な規制で市場心理の悪化が続いていたが、ARKがJDドットコムのADRに買いを入れたことが判明。外国人売りが一巡した可能性が出てきた。またコロナの感染拡大による規制強化も一時的なものと考えられる。人民銀行も銀行に融資拡大を指示しており、金融緩和強化も相場を下支えしよう。
(8/26記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】バリュエーション面からは割安といえよう
8/30~9/3の日本株式市場は、もみ合いの展開を想定する。引き続き、新型コロナの状況や外部環境をにらみながらの値動きとなろう。週初は米ジャクソンホールの会合でのパウエル米FRB議長の講演内容を織り込むことになりそうだ。
日経平均は8/20にザラ場で約8カ月ぶりに27,000円の大台を割り込み、終値で年初来安値を更新するなど波乱する場面があった。背景にはトヨタが新型コロナ感染拡大等を理由に9月に減産すると発表し、自動車関連株を中心に幅広い銘柄に売りが出たことがあったもよう。加えて、景気の先行きに対する懸念もあったように思われる。もっとも、今回の減産発表は東南アジアでの新型コロナ感染拡大による部品調達の停滞に起因していることを理解する必要があろう。よって、従来のような景気悪化につながる可能性は低いと考える。
このところ先物主導による仕掛け的な売買で株価が値幅を伴い下落する場面が散見されるが、中長期的な投資という観点から、押し目は買い場であると捉えたい。日経平均の予想PER(QUICK予想)は12.95倍(8/25時点)と昨年4月以来の水準まで低下、バリュエーション面からは割安か。
来週は月末・月初にあたり、重要な経済指標が発表予定。8/31の7月鉱工業生産指数(速報値)と7月失業率、9/1の4~6月期法人企業統計等に注目。
(8/26記 投資調査部 大塚)