2021年の日本株式市場で、日経平均は景気回復期待を背景に、上昇トレンド継続を想定する。世界経済に対する景気敏感株とされる日本株が評価される場面となろう。予想レンジは23,000~31,000円程度。
足もと新型コロナの感染拡大が続いており予断を許さない状況だが、欧米ではワクチンの接種が始まった。日本では約73兆円の総合経済対策が閣議決定し、ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現を目指す。国内外の経済指標は緩やかながらも景気回復を示す内容のものも散見されるようになり、企業業績の上振れ期待が徐々に強化されていくと考える。加えて、日米欧の緩和的な金融政策は長期化すると予想され景気を下支えするとともに、過剰流動性は株式をはじめとするリスク資産に流入することになるだろう。押し目は買いで臨みたい。
新型コロナが日本のデジタル化を加速させる流れは2021年も継続すると思われ、大きなテーマとなろう。
また2021年はグロース株とバリュー株が共に水準を切り上げていく展開を想定。ワクチン普及により景気見通しが改善すると思われ、投資対象の裾野が広がると予想する。
注目イベントとしては東京夏季オリンピック(7/23-8/8)、東京夏季パラリンピック(8/24-9/5)。その他には、9月の自民党総裁任期末やデジタル庁の発足、そして10月には衆議院議員の任期満了で選挙のタイミングが意識されよう。
2021年は丑(うし)年。丑は十二支の二番目にあり、芽吹きを迎えようとする状態を表すとされる。干支にちなんだ相場格言では「丑つまずき」となり、投資家には厳しい印象。その一方でブル(雄牛)という言葉もある。ブルとは上昇局面にある相場、また強気の見方を表す言葉。ブル年とみれば投資意欲も湧こう。戦後の東証再開以来の丑年相場は過去6回あり、日経平均は3勝3敗。年間騰落率の平均は-0.05%(東証再開の1949年は除く)で、マイナスパフォーマンスとなっている。年によって激しく変動するイメージか。