【世界市場の見通し】バイデン大統領誕生を織り込みに行く展開か
11/9-11/13の世界市場は米大統領選挙結果に多少の不透明感が残るものの、バイデン大統領誕生、上院共和党、下院民主党を前提とした相場形成になると考える。
米国株は選挙前に「ブルーウェーブ*」を想定する声が多かったものの、共和党が想定以上に善戦し上院は確保すると見られている。バイデン氏が掲げていた左派的な政策には一定の歯止めが掛かるものと見る。よって、ブルーウェーブよりも株式に好ましい展開と考える。
日本では決算発表が佳境を迎えている。外部環境は依然不透明だが、国内には決算由来の好材料があると思われ、押し目は好業績株の買いで臨みたい。下期や来期業績に対する期待も出始めるタイミングと思われる。
中国株は確りの展開を想定。トランプ大統領の時よりも「中国たたき」は緩和していくことが期待され、バイデン氏優勢を好感する展開か。「5中総会」でも野心的な成長目標が出てきており、株式市場は素直に好感するものと考える。
*ブルーウェーブとはホワイトハウスと上下両院を民主党が押さえること
(11/5記 投資調査部 藤本)
【日本株投資戦略】外部環境は不透明だが、業績の底打ち回復に期待
11/9-11/13の日本株式市場は、不透明な外部環境継続予想も、業績回復を織り込む展開を想定する。
米国の大統領選挙と議会選挙結果が最大の注目材料だが、本稿執筆時点ではその結果は判明していない。もっとも、米民主党が圧勝するブルーウェーブシナリオは後退した模様で株式市場にとっては好材料か。
一方、欧州主要国では新型コロナの感染が再拡大するなか、行動制限が強化されている。欧州経済の先行きに対する懸念が高まる場面も予想される。その一方で、感染が抑えられている日本株を見直す動きにも繋がりそうで、海外投資家の動向に留意したい。
日本企業の決算発表が続いている。そのピークは11/13で、517社(全市場・全決算期、11/5時点QUICK予想)。新型コロナの影響は業種や個別企業によって様々なものとなろうが、上場企業全体で見た場合には4-6月期を底に業績は回復傾向にあるとみる。主要企業の業績予想の変化を示すQCDIは、6月末時点の▲72ptから▲2ptまで急速に改善した。
(11/5記 投資調査部 大塚)