国内でも進むワクチン接種
日本国内でもようやくワクチン接種が本格化してきた。2/17の接種開始以来約4カ月程度経ちようやく接種が順調に進んできている。6/10時点でワクチン接種人数(累計)は1回目が約1594万人、2回目が約546万人となっており、1回目に限れば、国民の約1割余りが接種を経験していることになる。
6/21には「職域接種」が始まり、ワクチン接種がより加速することが見込まれる。予断は許されないが、集団免疫獲得による経済活動の本格的再開の流れが具体化してきそうだ。
コロナ禍で進んだ事象の逆回転起こる?
今後、社会はどうなるのか。ここでコロナ禍において起きたことを振り返りたい。
外出自粛つまり「巣篭り」や、酒類の提供や飲食店の営業の停止や制限、映画館やライブハウスといったような不特定多数の人が集まる施設の休館や営業制限、リモートワークの普及・拡大や不動産需要の変化、公共交通機関の利用の差し控え、旅行需要の急減に伴う航空需要の大幅な減退等々、一言で表現するならば「行動変容」であり、様々な事象に変化が見られた。
これらは感染拡大を抑止、或いは収束させるために採られた措置である為、ワクチン接種が進み集団免疫が視野に入れば、コロナ禍における新常態からの行動変容、言い換えれば巻き戻しが起こる可能性は高いだろう。
「リオープニング」という投資の視点
もちろん、コロナ禍において起きた行動変容の少なくない部分は、本来目指していた姿の前倒しという見方もできるが、社会が正常化した際にこそ元の姿に戻るものもあろう。
最たる例として考えられるのが、酒類の提供を伴う飲食店やレジャー施設含む娯楽関連施設だろう。旅行需要の回復が見込まれるという点も無視はできない。いずれもコロナ禍における行動変容の影響で景況感が急激に冷え込み、いまだに夜明けが見え難い業界と言えよう。構造的不況を内包しているものもあり、選別を要するとはいえ、ワクチン接種の進展による経済活動の再開、いわゆる「リオープニング」を織り込みに行く投資行動としては、こうした業界の「リオープニング銘柄」に焦点を当てることこそ有効かもしれない。
(マーケット支援部 山本)