nano tech 2020が開幕
1/29-1/31に、東京ビッグサイトで国際ナノテクノロジー総合展・技術会議(通称「nano tech 2020」)が開催される予定。
同イベントでは主に、①ナノマテリアル(ナノ材料)、②ナノファブリケーション(ナノ材料活用技術や超微細加工、描画装置等)、③国内外の産学官連携やオープンイノベーションを実現する最先端発表、④ナノイノベーション(先進的な技術研究開発の効率化等の出展)、⑤ナノアナリティクス(研究開発の全てに関わる分析・測定装置や受託分析・設計技術)というテーマで、各種発表等が行われる予定。
先端技術のキーワードとして
そもそも「ナノテクノロジー」とは、100ナノメートル(1ナノメートルは1ミリメートルの100万分の1)以下の微細なスケールの物質の構造を積極的に操ることで、新たな機能や性質を生み出す技術。1930年代に新しい合金を造るという形で萌芽し、1960年代にその概念が始まる。そして1970年代には異なる原子から成る、原子1個から数個の厚さの薄膜を相互に重ねることで今までに無い物性を得るという試みがなされた。そして1970年代の試みは、半導体製造技術へと応用されていったようだ。
ナノテクノロジーは既に、産業技術の観点からは、エレクトロニクスを中心に現実の技術となっているようだ。例えば、ハード・ディスクの記録ディスクや、コンピューターの心臓部のCPUチップ、周辺に取り付けるコンデンサ等の電子部品といった具合。
一方で、科学技術の観点からは、宇宙エレベーターを実現させるものとしてのカーボンナノチューブや、量子コンピューターに関する話題も出ており、これからの技術がナノテクノロジーをキーワードとして展開していく可能性が一部で根強く指摘されている模様。
過去の出展例
過去にはウエアラブルかつフレキシブルな電子デバイス等の電源用途として期待できる静電容量2倍のマイクロスーパーキャパシタが出展された。また、人の皮膚感覚を持つロボットスキンに応用が見込まれるフレキシブル・シート・センサー(印刷技術で圧力と温度の面内分布の同時検出が可能)や、MEMS(微小電子機械システム)センサーの製造期間を短縮し得る半導体向けの3Dプリント技術、人体や細胞となじみやすく美容や医療分野での応用が見込める生物由来のシルクナノファイバー等も出展された。
事前に判明している発表予定を見る限り、今回の注目は「nano×量子技術」だろう。
主な関連銘柄(銘柄略称)
主な関連銘柄としては、王子HD(3861)、一工薬(4461)、CTC(4739)、TPR(6463)、NEC(6701)、日電子(6951)、NOK(7240)、ヤギ(7460)、大日印(7912)、菱鉛筆(7976)、GSIクレオス(8101)などが挙げられよう。
(マーケット支援部 山本)