6/2~6の中国株式市場は方向感のない展開を見込む。なお、6/2は端午節で本土市場は休場。
好材料は少なくない
5/27に発表の4月工業部門利益は前年同月比+3.0%と、3月(同+2.6%)から増益率が高まり、小米(01810)の1~3月決算は予想を大幅に上回った。また、5/30~6/3に開催予定の米国臨床腫瘍学会で中国企業の研究成果が高い評価を受けるとの期待から、薬品株の一角が動意づいた。株価に対する好材料は少なくない。
トランプ関税の影響で中国景気に下押し圧力
一方で、トランプ関税が直接的、間接的に中国経済に影響を及ぼしつつある。BYD(01211)は5/26に自社EVなどの計22車種の価格を最大34%引き下げると発表。同社の同日の株価は前日比▲8.6%と大幅安となった。中国の新車販売台数は買い替え補助金制度にもかかわらず、4月は前月比で▲11.2%になり、息切れしつつある。今後は再び値下げ競争が始まると懸念される。また、ネット通販「Temu」は海外展開に定評があるが、親会社PDDホールディングスの1~3月純利益は、市場予想を大幅に下回り前年同期から半減した。中国内の競争激化とトランプ関税が影響したようだ。デリバリーの美団(03690)も「中国内で競争が一段と厳しくなっている」と警告している。
米中交渉の進展と景気刺激策を待つ
5/31に5月の購買担当者景気指数(PMI)、6月初めには不動産大手100社の新築住宅販売が発表されるが、良い結果は期待できないであろう。投資家は米中貿易交渉の進展と政府の景気下支え策を待ちながら、目先はしのぶ相場が続きそうだ。
(5/28 記 投資情報部 白岩)