3/25~29の中国株式市場は堅調に推移すると見込まれる。
中国株式市場は、政府の政策、中国景気、企業業績の改善などを背景に投資家からの信頼が戻りつつあるようだ。証券当局は3/15にIPO審査の厳格化などの上場ルールの改善策を発表。また、株価低迷時には上場企業に自社株買いの策定を義務付けるなど、「逆周期調節」を導入し、市場の安定を目指すようだ。中国景気については、3/18に発表された1~2月主要経済指標が概ね市場予想(Bloomberg)を上回り、中国の景気低迷懸念が後退しつつあるようだ。特に懸念された新築住宅販売は床面積が前年比-29%と、22年12月以来の最大の減少幅だったが、新築住宅販売床面積自体は安定しつつある。また、世界最大の車載電池メーカーであるCATL(寧徳時代新能源科技、300750、3/15発表)の23年業績が予想を上回ったことも、市場のセンチメント改善に寄与した。
外国人投資家による香港ストックコネクト経由の本土市場での売買動向を見ると、昨年後半以降は大幅に売り越しだったが、3/8以降は買い越しが続く(3/18時点)。
3/31に発表予定の3月購買担当者景気指数(PMI)は中国景気が持ち直しつつあることを示そう。中国株式市場は落ち着きを取り戻しつつあり、3/25の週も堅調に推移すると見込む。
(3/19記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
美的集団(ミデア・グループ)(深センA・000333/Z8602)
◆空調、電子レンジ等で販売金額がトップ(23年1~6月期)。ドイツのIoTを推進するロボットメーカー、KUKAを17年に買収。22年のR&Dは AI、半導体の開発等中心に126億元(売上高の3.6%)。家電業界で最大級のAI部隊を保有
◆23年1~9月期は前年同期比7.7%増収、同13.3%増益。中国で住宅建設完成が急がれているため、空調販売が堅調。ロボット部門も好調の模様
◆政府は3/13に家電の買い替え促進策と投資支援策を発表。家電は補助金等で販売促進を図る(年4%弱の販売拡大要因、当社予想)。工業、交通等の投資は補助金や減税等で既存設備の刷新を進める計画。同社にメリット大
(投資情報部 白岩)
啓明星辰信息技術集団(ヴィーナステック)(深センA・002439/Z8901)
◆セキュリティ・マネジメント・プラットフォーム、IDS(不正侵入検知システム)・IPS(不正侵入防衛システム)やUTM(統合脅威管理)などでは、中国国内市場シェア首位に立つ。中国移動集団は支配株主
◆23年12月期の売上高は前年比2.1%増、純利益は同17.4%増(速報ベース)
◆23年6月末時点、中国移動集団の傘下企業30社超と戦略提携協議を締結し、12種類の製品が中国移動の製品リストに入った。また、デジタル経済の発展、IoT(モノのインターネット)化やクラウド化の進展などに伴い、中国のサイバーセキュリティ市場規模は25年に22年比1.7倍の1589億元に拡大すると見込まれ、同社は市場拡大の恩恵を受けよう
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)