2/26~3/1の中国株式市場は個別物色の展開を見込む。
今年の春節祝休日(2/10~17)は、休日が1日増えたこともあり、外出が増えた。春節の旅行数は前年比34%増、19年比19%増となり、映画の興行収入も19年比19%増と拡大した。ただ、旅行者1人当たりの支出は同9.5%減と、消費者が倹約志向であることがわかる。一方、春節期間の主要50都市の中古住宅販売は前年比70%増となった。足元の経済指標は好悪混在で、3/1発表予定の2月の購買担当者景気指数(PMI)は、まだら模様の経済状況を示そう。
2/18には国務院会議で李強首相が経済への信頼を高めるため確固たる行動を取るよう求め、2/20には中国人民銀行が政策金利である最優遇貸出金利(5年物)を0.25%pt引き下げ(Bloomberg市場予想:0.1%pt引き下げ)、住宅ローン金利の引き下げを促した。政府は景気低迷を懸念しているとみられ、3/5に開幕予定の全国人民代表大会(全人代)では景気下支え策が強化されるとみられる。
2/26の週は企業の決算発表が増加する。2/28には百度(09888)が発表予定。決算発表でAI開発の進展に関する発言があれば、市場は好感しよう。全人代で政策を確認するまでは投資家は動きづらいとみられ、決算発表を受けた個別物色の展開となろう。
(2/21記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
浙江三花智能控制(ジェイジアン・サンファ・インテリジェント・コントロールズ)(深センA・002050/Z8971)
◆電子膨張弁、四方逆転弁、電磁弁やマイクロチャンネル熱交換器などの製品は世界首位の市場シェアを握る
◆23年1~9月期の売上高は前年同期比21.6%増、純利益は同32.7%増、一時的な損益を除く純利益は同26.9%増と好調
◆23年上期、新エネ車向けを中心とする自動車部品事業の売上高は前年同期比50.8%増加し、同事業の粗利益率も同0.4%pt上昇の25.7%に改善。また、蓄電分野に注力するテスラや寧徳時代新能源科技(CATL)などとは業務提携を行っている。今後、蓄電市場の急拡大に伴い、同事業の売上が大きく向上する見込み。人型ロボット分野での布石も積極的に打っている
(投資情報部 呉)
順豊控股(S.F.ホールディング)(深センA・002352/Z8772)
◆23年上期の国内航空貨物輸送量の35.2%を占めた
◆23年1~9月期は前年同期比5.1%減収、同40.1%増益。23年6月にフランチャイズのビジネスモデルを採用する「豊網速運」を売却
◆アジア初の貨物輸送ハブ空港「鄂州花湖空港」は22年7月に貨物航空便の運航を開始。中長期的に輸送品質の向上、総合物流サービスの強化や路線網運営コストの低下などにつながり、同社の事業拡大に大きく寄与しよう。24年1月の物流事業全体は前年同月比15.5%増収。うち宅配業務は1件当たり単価が安定し、売上高が同19.5%増。サプライチェーン・国際業務の売上高は同2.0%増となった。今後も回復継続を見込む
(投資情報部 呉)