12/4~8の中国株式市場は方向感のない展開を見込む。
11/27の週は、同日発表の工業企業利益の減速や、北京を含む中国北部での子供の肺炎急増、美団(03690)の業績見通しの下方修正等が、11/27の週の株価押し下げ要因となった。ただ、工業企業利益は回復傾向を維持し、北部の肺炎も新たな病原体ではないことから、過度な懸念は無用であろう。一方、中国の通信機器最大手のファーウェイは米国による技術規制を回避し5G対応の新型スマートフォンを8月に発売、11/26には同社のスマートカー技術を重慶長安汽車(000625)との合弁会社に移管すると発表。同社の技術に対する期待から関連株の上昇が続いている。
12/4には香港高等法院による恒大集団(03333)の清算審理が行われる。同社が清算に直面する可能性もあり、不動産関連株が軟調になることも考えられる。新築住宅販売は低迷を続けるが、不動産会社は土地使用権の調達を活発化しつつあり、来年の販売に対する悲観的な見方が変わりつつあるようだ。不動産会社の株価もしっかりしつつある。
中国は好悪材料が入交り方向感のない相場が続こう。特に、香港では、年末に向けた資金需要が一服する12月半ばあたりまでは、短期金利が高水準を維持し株価は上値が重いとみる。ただし、それ以降は市場金利の低下に伴い株価は持ち直しを見せよう。
(11/30朝記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
快手科技(クアイショウ・テクノロジー)(香港・01024/Z9033)
◆ショート動画投稿アプリの運営などが主力事業
◆23年1~9月期の売上高は前年同期比22.8%増、調整済み純損益は前年同期57億元の赤字から59億元の黒字に転換
◆3Qの1日当たりの平均アクティブユーザー数は前年同期より6.4%増の3.87億人に達し、予想範囲内で着地。当社は4Qが同6.5%増の約3.9億人で引き続き過去最多を更新と予想。3Qのオンラインマーケティング部門の売上高は前年同期比26.7%増で、アクティブ顧客数も同140%増加した。同期のEコマースの流通取引総額は同30.4%増の2902億元と好調。4Qは「独身の日」セールの好調な販売もあり、その基調が続いた。ライブ部門は同8.6%増収
(投資情報部 呉)
周大福珠宝集団(チョウ・タイ・フック・ジュエリー)(香港・01929/Z8145)
◆23年9月末で本土に7458店舗、香港・マカオに86店舗。売上に占める購入比率が高い同社会員顧客は665万人(23年3月末比約4.4%増)
◆24年上期(4~9月)の売上高は前年同期比6.4%増、純利益は同36.4%増。金価格の上昇や価格戦略の最適化が奏功し、粗利益率は同1.3pt上昇の24.9%。金製品が好調で、売上比率は同4.5pt上昇の80.1%
◆23年1~10月の小売売上高は前年同期比7%増の中、宝飾類は同12%増と市場全体を上回った。上期の香港・マカオ店舗による販売額が前年同期比59.6%増と好調。中国本土店舗の販売額は同3.5%減少したが、3Qは前年比効果で改善しよう
(投資情報部 呉))