7/24~28の中国株式市場は方向感のない展開を見込む。
7/17に発表の4~6月GDP成長率は前年同期比+6.3%と、市場予想(Bloomberg、同+7.1%)を大きく下回った。昨年4~6月は都市封鎖で景気が落ち込み、前年同月比での評価は適さないため前期比年率換算をみると、1~3月の+9.1%から4~6月は+3.2%へ大きく落ち込んだ。また、新築住宅販売市場の不振、恒大(03333)が21年、22年の決算で総額11兆円超の赤字で債務超過に陥ったこと、更には政府が発表した消費刺激策が期待外れとの評価等から、景気に対する懸念が高まり株価は軟調に推移した。
ただし、同日発表された経済データからは、消費が順調に回復しつつあること、落ち込んでいたインフラ投資の伸びが再び高まったこと等がわかる。在庫調整も終わりつつあるとみられ、景気回復傾向は維持していると考える。
7/24の週は、7月末に開催予定の中央政治局会議を前に、方向感のない展開が見込まれる。中央政治局会議では年後半の政策方針が決定されるとみられ、景気刺激策、特に不動産対策が期待される。また、1~6月の決算発表が始まりつつある。7/26には寧徳時代(CATL、300750)や華能国際電力(00902)の発表が予定される。特にCATLの決算は今後のEV市場の動向を読み解くヒントになるかもしれない。
(7/19記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
美的集団(ミデア・グループ)(深センA・000333/Z8602)
◆家電などを製造・販売するほか、産業ロボット・オートメーションも手掛ける
◆23年1~3月期は前年同期比6.3%増収、同12.0%増益。粗利益率は同1.8%pt上昇の24.0%。ビルディング・テクノロジーや産業ロボット・オートメーションなどのBtoB業務は二桁増収と好調
◆23年1~5月の中国白物家電の販売が改善し、同社業績に寄与しよう。23年上半期の中国輸出が低迷するなか、3~6月の家電部門の輸出金額は前年同期より4.6%増と堅調。海外の在庫調整が進んでおり、同社の海外事業の売上高(22年売上比率は4割)は増加すると予想。23年2月からの人民元安による為替差益は23年の業績を押し上げよう
(投資情報部 呉)
珠海格力電器(グリー・エレクトリック・アプライアンセズ)(深センA・000651/Z8610)
◆28年連続でエアコン国内販売量1位
◆23年1~3月期は前年同期比0.4%増収、同2.6%増益。原材料高の緩和で、粗利益率は前年同期の23.7%⇒27.4%に改善した
◆23年1Qの契約負債は前年同期比60%増、営業活動によるネットキャッシュフローは大幅増で、顧客からの需要が増えると見られる。23年上半期のエアコン販売量が好調で、エルニーニョ現象による暑さで2Q以降の夏の販売増も見込む。また、1~6月の不動産完成床面積は前年同期より19%増。中国政府が未完成物件の完成を急いでおり、今後も住宅の完成件数は増加し、エアコン設置増加が見込まれる。下期の業績は改善しよう。予想配当利回りは8%超
(投資情報部 呉)