5/22~26の中国株式市場は一旦、悪材料出尽くしか。
5/16に発表された4月経済指標は、昨年4月が上海等で都市封鎖が行われ景気が低迷したため、前年同月比では高い伸びを示した。しかし、概ね市場予想(Bloomberg)を下回り、景気回復が一本調子でないことを示した。
4月消費者物価指数は前年同月比0.1%上昇した一方、1年物最優遇貸出金利は3.65%で、利下げ余地は大きい。5/15発表の「中国金融政策報告」では、中国人民銀行が中国景気を支援し、融資コスト引き下げの方針を示したことから、早ければ5/22にも利下げの可能性がある。
一方、5/19~21にG7 首脳会談を控え、従来、中国に中立とみられたEUが中国を招かず5/13にインド太平洋の国々と会議を開催し、中国は5/18~19に中央アジアサミットを開催し関係強化を図る予定。このような中国と先進国との対立も中国株式市場が神経質な背景と考える。
5/22の週はG7首脳会談も終了し一旦、悪材料出尽くしで株価は上昇すると考える。また、5/11に米証券取引委員会(SEC)がアリババ(米BABA、香港09988)の定期検査終了を公表、5/15にはアリババが同社ECサイトへの巨額投資を発表した。上場廃止リスクの低下と積極性を好感し同社株は上昇。アリババ効果が期待される香港市場は特に上昇しやすいだろう。
(5/17記 投資情報部 白岩)
【紹介銘柄】
銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント・グループ)(香港・00027/Z5136)
◆カジノや関連ホテルなどの開発、運営を手がける
◆22年通期の売上高は前年比41.7%減、調整済みEBITDAは赤字転落。コロナ禍による営業停止とマカオへの旅客数の減少が主因
◆マカオと本土の往来制限の緩和による旅客数の増加で、マカオのホテル平均稼働率は22年末の43%⇒23年3月の77%に回復。23年1~4月のマカオのカジノ収入は前年同期比141%増と急伸し、23年通期は高い成長率を達成する見通し。23年2Q、新設ホールが開業し、世界規模のコンサートなどの主催により、23年通期の業績を押し上げそう。また、リゾート建設プロジェクトを推進し、今後非カジノ分野の収入の増加が大きく寄与しよう
(投資情報部 呉)
株洲中車時代電気(ヂューヂョウ・CRRC・タイムズ・エレクトリック)(香港:03898/Z4555)
◆鉄道車両向けの電力制御システムなどの開発・製造を営むほか、パワー半導体や新エネ車用の電気駆動システムなども手がける
◆23年1~3月期の売上高は前年同期比21.3%増、純利益は同27.6%増。軌道交通の利用は増加し通期の業績を押し上げよう
◆脱炭素が世界の潮流となる中、電力を効率よく制御するパワー半導体が注目されている。同社は仏自動車部品大手のヴァレオとIGBTモジュールの供給契約を締結。需要拡大を狙い、新エネ車や新エネ発電向けなどのパワー半導体工場の新設計画を推進。IGBT以外では、炭化ケイ素(SiC)ベースの次世代パワー半導体の研究開発・製造能力も強化中
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)