4/10~14の中国株式市場は堅調に推移すると見込まれる(香港市場は4/10にイースター・マンデーで休場)。
3/31発表の3月購買担当者景気指数(PMI)は製造業が前月比0.7pt低下し51.9となったが、非製造業は同1.9pt上昇し58.2と、約12年ぶりの高い水準となった。製造業では、生産や新規受注が低下したが、2月は春節(1/21~27)明けで生産や受注が拡大しやすいとみられ、3月が不調というよりは2月が特別高かったといえよう。新規受注では国内受注がしっかりしていると推測され、また、企業の購入量が依然多いこと等から、企業活動は回復期にあるといえよう。非製造業の中では、旅行や外食等の景況感が3月に祝休日がなかったこともあり若干低下したが、インフラ投資、不動産、室内装飾等の建築業全般は活況で、非製造業全体の景況感を押し上げた。
今年1~3月のGDP統計は4/18に発表予定。当社は成長率が前年同期比+3.4%と、昨年10~12月の同+2.9%から高まると予想する。また、4~6月は昨年4月に上海他で都市封鎖があったことから前年比効果で成長率は更に高まり、同+7.1%に達すると見込む。更に、4/3に商務部は自動車や家電分野で消費促進策を積極的に採用する方針を示した。販売が低迷している自動車は小売売上高の1割強を占める。両商品の販売が回復すれば中国の景気回復にも株価の上昇にも弾みが付こう。
(4/6朝記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
中国移動(チャイナ・モバイル)(香港・00941/Z2839)
◆23年2月末時点のモバイル契約数は約9.8億件(そのうち、5G契約数は約6.4億件)、有線ブロードバンド契約数は約2.8億件
◆22年12月期の売上高は前年比10.5%増、純利益は同8.0%増
◆22年12月期の産業向け5Gソリューション、クラウドなど情報サービス事業の急拡大により、DX(デジタル・トランスフォーメーション)関連収入は前年比30.3%増。中国政府はデジタル経済を国策として強力に推進。中国のデジタル経済規模は25年に60兆元以上、32年には100兆元以上に拡大する見通し。デジタル経済の発展に伴い、DX事業の成長ポテンシャルは高いと見込まれる。23年には配当性向を70%以上にする方針
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
アリババ集団(香港・09988/Z8924)
◆主力のEC事業のほか、クラウド、フィンテック、ネット出前や物流など幅広いサービスを提供。アジア最大のクラウド事業者
◆22年10~12月期は前年同期比2%増収、純利益は同69%増益。新型コロナの感染急拡大に伴う個人消費の低迷で売上高は微増に留まるも、経営効率の改善などでコスト削減
◆3月28日に6つの事業グループに再編する組織改革を発表。今後、クラウド、物流やローカル・コンシューマー・サービスなどの成長事業でスピンオフ上場が実現すれば、同社企業価値の増大につながると考える。また、香港市場でのプライマリー上場を申請しており、今後中国マネー流入による需給改善も期待できよう
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)