3/27~31の中国株は、香港市場はボラティリティの高い展開、一方で本土市場は底堅く推移すると考える。
欧州大手銀行のクレディ・スイスは経営難でUBSにより買収されることになった。クレディ・スイスが発行した「その他ティア1債」が無価値になることが決定されたため、「その他ティア1債」の価格が世界的に下落。当該債券を発行または保有しているとみられる欧米金融株の株価が香港市場で急落した。当面、世界的な金融システムに対する懸念が香港市場の重石になろう。一方、中国の銀行も当該債券を保有している可能性もあるが、中国では海外資産の投資に規制があるため、保有額は限定的であろう。本土市場への影響は限定的と考える。
中国では、旅行や外食等のサービス消費が好調な一方、自動車等のモノ消費の一部は不振である。中国景気に大きな影響を持つ新築住宅販売は政府の支援策を受け、販売床面積が昨年12月の前年同月比32%減から1~2月は前年同期とほぼ同じまで急速に持ち直した。また、主要70都市の新築住宅価格は前月比+0.3%と、1年半ぶりに上昇へ転じた。資産価格の上昇は消費者の財布の紐を緩めると期待される。それでも回復が遅れる場合、政府は今年、消費回復による内需拡大の方針を示しているため、消費支援策を発表しよう。
(3/22記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
中国旅遊集団中免
(チャイナ・ツ-リズム・グル-プ・デュ-ティ-・フリ-)(香港・01880/Z9120、上海A・601888/ Z8635)
◆中国シェア86.0%、世界シェア24.6%でいずれも首位(21年売上ベース)。海南島海口で世界最大規模の免税モール「海口国際免税城」を運営
◆22年12月期の売上高は前年比19.5%減、純利益は同47.9%減(速報ベース)。コロナ禍による来客数の急減などが大幅減益の要因。23年は増収増益に転じる見込み
◆中国で本格化してきたリオープンに伴い、23年1月の海南省への旅行者数は過去最高となり、離島免税品の販売も回復中。各空港の国際線旅客数は着実に増加し、出入国エリア免税事業も改善しよう。また、26年に中国の免税市場規模は22年の5.6倍まで拡大すると予想され、同社も恩恵を受けそう
(上海駐在員事務所 孫)
浙江三花智能控制
(ジェイジアン・サンファ・インテリジェント・コントロールズ)(深センA・002050/ Z8971)
◆電子膨張弁や四方逆転弁など多数の製品は世界首位の市場シェアを握る
◆同社は22年12月期の売上高が前年比20~40%増、純利益は同50~80%増と見込む
◆米テスラやBYDなど世界的な新エネ車メーカーに熱管理システム関連の部品を供給。自社製部品の割合の上昇やコスト管理の強化などで、22年6月中間期の新エネ車向けを中心とする自動車部品の粗利益率は前年同期比1.4pt上昇の25.4%に改善。新エネ車市場の持続的な拡大が収益性の追い風に。また、蓄電分野事業にも注力。米テスラや寧徳時代新能源科技(CATL)などと業務提携しており、今後同事業の売上寄与向上が見込まれる
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)