1/30~2/3の中国株式市場で、本土市場は上値の重い展開も、香港市場は上昇基調を維持すると見込む。
鉄道、自動車等の旅客数の日次データをみると、今年の春節(1/22)15日前から春節当日までの1日平均旅客数は19年の半分強に留まるものの、22年比では約5割増となった。また、マカオのカジノの1日あたりの収入は1/9の週に昨年最終週の約3倍へ拡大した。ゼロコロナ政策の撤廃で足元の旅行/娯楽需要は強く推移しているようだ。
一方、1/21に中国疾病予防コントロールセンターは「中国の人口の8割が既に感染し、今後2~3カ月で大規模な感染のリバウンドが起きる可能性は低い」との見方を示した。従来、当社は春節後に地方での感染が拡大し、投資家はそれを嫌気し中国株を一旦売却すると考えていたが、春節後の感染拡大は限定的に留まる可能性がある。そうなれば、市場はむしろ春節に示された強い消費を好感すると考える。
ただ、中国の金融当局は春節祝休日の前に過去最高の約2兆元の資金供給をしており、春節後はその資金をある程度吸収しよう。このため、本土市場は資金需給が春節前よりも若干タイトになるとみられ、上値の重い展開となろう。一方、香港の政策金利に影響を与える米FFレートは2/1に引き上げが見込まれるが、香港市場では既に織り込み済みとみられ、株価は上昇基調を維持しよう。
(1/25記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
浙江三花智能控制(ジェイジアン・サンファ・インテリジェント・コントロールズ)
(深センA・002050/ Z8971)
◆電子膨張弁、四方逆転弁、電磁弁やマイクロチャンネル熱交換器などの製品は世界首位の市場シェアを握る
◆22年1~9月期は前年同期比33.1%増収、純利益は同25.9%増益、一時的な損益を除く純利益は同50.2%増。同社は22年12月期は売上高が前年比20~40%増、純利益と一時的な損益を除く純利益はいずれも同50~80%増と見込む
◆米テスラやBYDなど世界的な新エネ車メーカーに熱管理システム関連の部品を供給。新エネ車市場の持続的な拡大が収益の追い風に。また、蓄電分野事業にも注力。米テスラや寧徳時代新能源科技(CATL)などと業務提携しており、今後同事業の売上寄与向上が見込まれる
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
格林美(ジー・イー・エム)(深センA・002340/ Z9151)
◆新エネ電池材料と都市鉱山開発を手掛ける
◆22年1~9月期は前年同期比65.8%増収、純利益は同40.4%増益。同社は22年12月期は前年比30~60%増益と見込む
◆新エネ車需要増に伴い、リチウムイオン電池正極材の主要原料である三元前駆体の世界出荷量は21年の76.3万トンから30年に554.5万トンへ拡大が見込まれる。同社は今期の三元前駆体(6月中間期の売上構成比率は54.0%)の出荷量が14万トンを超えた(21年は9.1万トン強)。また、中国の都市鉱山開発の22~26年年平均成長率は約90%と予想されている。電池、電化製品、自動車のリサイクル事業で高いシェアを持つ同社は恩恵を受けよう
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)