10/3~10/7の中国本土市場は国慶節の長期祝休日で休場。香港市場は10/4のみ重陽節で休場。香港は出来高が少ない中、ボラティリティの高い展開となろう。
9/16に発表の8月主要経済指標は、鉱工業生産が前年同月比4.2%増と7月実績と市場予想(Bloomberg)の同+3.8%を上回り、4月を底に景気が持ち直しつつあることを示した。また、新築住宅販売床面積も7月から前年同月比の減少率が縮小し、最悪期が過ぎつつあるようだ。9/30に発表予定の9月購買担当者指数(PMI)も景気持ち直し継続を示そう。
一方、9/21の米FOMCでは従来を上回るピッチでの利上げが示され、ドル高が進んだ。また英ポンド安もあり、人民元や香港ドルへの売り圧力が強まり、人民元は9/28に7.22元/ドルと08年以来の安値を付けた。中国本土や香港で市場金利が上昇し株安要因となった。今後も米金利上昇に伴い中国や香港でも市場金利の上昇や株安圧力が強まろう。ただし、前述のように中国景気の持ち直しが一段と顕在化してくれば、元や香港ドルの売り圧力も緩和してくると見込まれる。
10/3の週は中国本土が祝日のため、本土から香港への注文はなく、香港市場の取引高は減少しボラティリティは上がりやすいと考える。特に米金利が上昇する場面では香港株の下落幅は大きくなろう。一方、足元で香港市場の下落ピッチが速かったこともあり、米国市場が下げ止まれば香港市場への見直し買いも期待される。
(9/28記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
中国移動(チャイナ・モバイル)(香港・00941/Z2839)
◆中国国内携帯シェアは5割超。22年8月末時点のモバイル契約数は約9億7324万件(5G契約数は約5億3879万件)、有線ブロードバンド契約数は約2億6090万件
◆22年6月中間期は前年同期比12.0%増収、同18.9%増益。携帯電話料金の値下げ基調は続いたが、契約料金の高い5G契約数の増加(5G契約の浸透率は約50%)がその影響を軽減
◆産業向け5Gソリューション、クラウド(6月中間期は前年同期比103.6%増収)、スマートホームやデジタル・コンテンツなど情報サービス事業の急拡大によりDX関連収入が通信サービス収入に占める割合が26.0%まで拡大。23年には配当性向を70%以上にする方針
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
株洲中車時代電気(ヂューヂョウ・CRRC・タイムズ・エレクトリック)(香港・03898/Z4555)
◆鉄道車両用の電力制御システムなど軌道交通機器の開発・製造を営むほか、パワー半導体、新エネ車用の電気駆動システムやセンサーなども手がける
◆22年6月中間期は前年同期比23.2%増収、同25.3%増益。軌道交通機器は同4.6%増収と堅調推移。パワー半導体など新興事業は同135.3%増収と売上高拡大をけん引
◆6月中間期、新エネ車用パワー半導体デバイスの出荷量は前年同期の6倍超となり、市場シェアは10%超まで拡大。風力・太陽光発電向けパワー半導体のシェア拡大も見込まれる。軌道交通機器の需要は回復基調。パワー半導体や新エネ車用の電気駆動システム等新興事業の成長性など期待材料多い
(東洋証券亜洲有限公司 キョウ)