4/18~4/22の中国株式市場は軟調な地合いが継続しよう。
新型コロナウイルスの新規感染者数は4/11に上海を中心に前日比で減少したものの、4/12は全国で27,920人、上海で26,330人と、再び過去最多を更新した。上海の都市封鎖は東部で3/28に始まり、同市は4/11に緩和すると発表したが、緩和対象地域でも不要な外出を控えるよう指示した。自由な生活からは程遠いようだ。
4/18には1~3月GDPと3月の経済指標が発表予定。3月の経済指標は、大都市で都市封鎖が実施されたため下振れが見込まれる。鉱工業生産は1~2月実績の前年同期比7.5%増から3月の市場予想(Bloomberg)は同4.0%増へ鈍化が見込まれる。1~3月GDP成長率は、3月の景気下振れが響き、昨年10~12月並みの同+4.3%と、低成長に留まろう。また、ウクライナ問題も5月初めにかけて戦闘が強まるとの見方もあり、欧米投資家は対ロ制裁に反対する中国への投資を控えることも考えられる。中国株は軟調地合いが継続するとみられる。
ただ、労働節の長期祝日(4/30~5/4)明け頃には、上海の新型コロナ新規感染者数がピークアウトすることも考えられる。また、李克強首相は1週間以内に3回も景気減速懸念を表明した。労働節前後には金融緩和や財政面からの景気下支え策が発表され、株価が底値固めに入る可能性もあろう。
(4/13記 投資情報部 白岩)
紹介銘柄
網易(ネットイース)(香港・09999/Z8956)
◆利益率が高い自社開発ゲームに強み。代表作は「荒野行動」など。ゲーム業務の約7割を占めるモバイルゲームでは世界第2位。中国当局によるゲーム規制強化に対応するため、足元約10%の海外売上比率を50%まで高める目標を掲げる
◆21年12月期は前年比18.9%増収39.7%増益。投資収益の増加(同83.1%増)や為替差損の縮小が最終利益を押し上げ
◆音楽配信子会社「雲音楽」は21年に香港スピンオフ上場。21年PCゲーム新作「永劫無間」の販売本数が600万本を突破。22年に同作のモバイル版も投入予定。4/11に中国当局が9カ月ぶりに新規ゲームを認可。将来的な同社の新作投入も期待できよう
(投資情報部 林)
海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム)(上海A・600690/Z8448)
◆冷蔵庫と洗濯機の市場シェアで中国首位(20年、実店舗販売額ベース)。旧三洋電機の「AQUA(アクア)」などを傘下に置く。海外売上高比率は50.6%(21年12月期)。産業向けIoTプラットフォームも開発
◆21年12月期は前年比8.5%増収47.1%増益。海外事業が同12.9%増収、国内事業が同4.3%増収。そのうち、ハイエンドブランド「Casarte」が同40%以上増収と好調。コスト上昇圧力にはハイエンド製品強化などで対応。粗利益率は前年比1.6pt上昇の31.2%まで改善
◆不動産市場の締め付けが緩和されれば、家電製品の販売拡大につながる可能性。3/31に15億~30億元のA株自社株買い計画を発表
(投資情報部 林)