4/4~4/8の中国株式市場は、本土市場は軟調も、香港市場は底堅く推移しよう。
3/24に開催された北大西洋条約機構(NATO)と主要7カ国(G7)の臨時首脳会議では、ロシアによるウクライナ侵攻への対応を協議、中国を含む各国がロシア支援や制裁回避への協力を控えるよう要求。中国は欧米による対ロ制裁に反対しており、欧米は中国のロシア支援に対し疑念を持っている。
中国本土では新型コロナ感染者数が3/29に8655人と、20年2月以来最多となり、上海が全体の約7割を占める5982人だった。政府は感染抑制のため上海市を2分割し、4日間ずつ都市封鎖を行いPCR検査を実施している。3/31に発表された3月PMI(購買担当者景気指数)は、新型コロナの感染拡大を背景に製造業、非製造業共に低下し、景気に下押し圧力が強まっていることを示した。
中国は新型コロナの感染拡大、それによる景気減速、またウクライナ問題と、不透明要因が重なり株価に下押し圧力がかかっている。本土市場は4/4~5が清明節で休場、連休明けも軟調な地合いが継続するとみる。ただし、4月中にも新型コロナ新規感染者数のピークアウトが期待されること、欧米からの制裁を回避するため、中国政府が米国政府と接触していることなどを背景に、不透明感は徐々に払しょくされよう。一方、香港市場は未だ割安な水準にあり、底堅い展開が続くと見込む。
(3/31朝記 マーケット支援部 白岩)
紹介銘柄
香港証券取引所(ホンコン・エクスチェンジ・アンド・クリアリング)(香港・00388/Z2888)
◆香港唯一の証券・先物取引所。IPO調達額は世界トップ級(直近13年間で7回首位)。「ロンドン金属取引所(LME)」を傘下に持つ
◆21年12月期の総収入は前年比9.2%増、純利益は同9.0%増と堅調。現物市場の活発な売買が業績を押し上げた。*「滬港通・深港通」経由の売買は活況が続き、関連収入は同41.4%増と好調
◆米国の規制強化を背景に、米上場の中国企業の香港重複・回帰上場などが増加すれば市場活性化につながろう。21年10月に「MSCI中国A50コネクト指数」先物を導入。海外投資家によるA株デリバティブ商品の需要は高いと見込まれ、22年下期からの業績貢献が期待できよう
*:上海・深センと香港のストックコネクト取引
(マーケット支援部 林)
浙江三花智能控制(ジェイジアン・サンファ・インテリジェント・コントロールズ)(深センA・002050/Z8971)
◆冷凍・空調用制御部品のリーディングカンパニー。電子膨張弁や四方逆転弁、マイクロチャンネル熱交換器などの市場シェアは世界首位。トヨタ自動車やテスラ、ベンツなどに部品を供給
◆21年12月期は前年比32.3%増収、15.2%増益。自動車部品部門が同94.5%増収(新エネ車向け比率は83.4%)と全体をけん引。22年1~2月期は同約40%増収、約30%増益と好調に推移
◆21年6月に*CB発行で30億元を調達し、省エネエアコン部品の生産能力拡大に充当。電気自動車に必要とされる熱管理部品にも強みを持つ。21年の中国の新エネ車販売台数は同2.6倍の352万台と急増。市場の持続的拡大が予想され、その恩恵が期待できよう
*:転換社債型新株予約権付社債
(マーケット支援部 林)