7日の香港株式市場でハンセン指数は大幅続落した。終値は前週末比847.66pt(3.86%)安の21,057.63ptと、人民元ショック後の2016年7月以来およそ5年8カ月ぶりの安値を付けた。下落率は21年7月以来の大きさ。ウクライナ情勢と原油高騰を受け、世界景気の悪化懸念が強まった。中国電子商取引(EC)のアリババ集団(09988)が上場来安値、中国ネットサービスのテンセント(00700)が昨年来安値をそれぞれ更新した。中国政府による規制強化懸念も根強く、中国出前アプリの美団(03690)は11%下げた。中国火鍋の海底撈国際控股(06862)が1割下げるなど消費関連も軒並み売られた。半面、中国石油天然気(ペトロチャイナ、00857)が4%高となり、金鉱採掘の紫金鉱業集団(02899)も3%近く上げた。香港メーンボードの売買代金は1775億香港ドルだった。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで54億4900万香港ドルの買い越しだった。
7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比797ドル42セント(2.4%)安の32,817ドル38セントで終えた。下落幅、下落率ともに今年最大で、昨年3月以来1年ぶりの安値。ロシアへの経済制裁に伴うエネルギー高が世界景気を冷やすとの懸念が広がった。ロシアとウクライナの3回目の停戦交渉の成果が乏しかったとされるのも投資家心理の重荷となった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落し、前週末比482.476pt(3.6%)安の12,830.962ptで終えた。
8日の香港株式市場でハンセン指数は続落か。米国株式市場が大幅下落した流れを受け、売りが先行しそうだ。ウクライナ情勢への警戒は根強く市場全体の重荷となろう。
(マーケット支援部 林)
軟調な展開か
7日の中国・上海株式市場は4日続落した。上海総合指数の終値は前週末比74.7938pt(2.16%)安の3,372.8552ptと、約1カ月ぶりの安値を付けた。ウクライナ情勢を巡り欧米諸国がロシアからの原油輸入の禁止を検討していると伝わった。資源高により世界経済が鈍化するとの懸念から、投資家がリスクを回避する姿勢を強めた。海外資金の流出懸念も相場の重荷となった。酒造株が下落し、自動車やバッテリー関連、電子部品と他の大型株も安かった。医薬や家電関連、観光関連株が売られた。半面、5日開幕の中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強(リー・クォーチャン)首相が発表した「政府工作報告」の政策支援を受け、育児関連株が買われた。石油や黄金株が高かった。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆245億元となった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで82億7200万元の売り越しだった。個別では、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)、歌爾(ゴーテック、002241)、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、宜賓五糧液(ウーリィアンイェー・イービン、000858)、中国旅遊集団中免(チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティー・フリー、601888)などが売り越しとなった。
8日の中国本土市場は軟調な展開か。3月6日に中国本土において526例の新型コロナウイルス感染者数が確認されており、足元の新型コロナ新規感染拡大を懸念するムードが高まりそうだ。また、ウクライナ情勢を巡る不透明感から、リスク回避姿勢を強める海外投資家などの売りが膨らむ公算が大きいと思われる。
(マーケット支援部 林)