26日の香港株式市場でハンセン指数は3日ぶりに小幅に反発した。終値は前日比46.29pt(0.19%)高の24,289.90ptだった。このところ下げが目立っていたハイテク大手に値ごろ感に注目した買いが入り、相場を支えた。ただ、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に米金融政策を見極めたいとの様子見気分は強まり、ハンセン指数は午後は小幅な値動きとなった。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は4営業日ぶりに反発し、終値は同0.79%高の5,597.03ptだった。一方、米英などの金利先高観が強まるなか、利上げで恩恵を受けるとの見方から英金融HSBC(00005)が同3%近く上げた。香港のメーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1321億香港ドルと、前日から1割減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで46億4600万香港ドルの買い越しだった。
26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比129ドル64セント(0.4%)安の34,168ドル09セントで終えた。前日夕に発表した決算が好感されたソフトウエアのマイクロソフトが買われ、ダウ平均は午前に500ドル強上げる場面があった。だが、午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表され、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見が始まると長期金利が上昇し、ダウ平均は急速に伸び悩んで下げに転じた。会見中に長期金利が1.85%(25日終値は1.77%)まで上昇し、高PER(株価収益率)銘柄の重荷となった。買いが先行したハイテク株も長期金利の上昇を受け売りが優勢になった。一方、マイクロソフトは同3%高で終えた。25日発表の21年10~12月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回り、22年1~3月期の売上高予想も市場予想以上だった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小反発し、同2.824pt(0.02%)高の13,542.119ptで終えた。
本日の香港株式市場はFRBの金融引き締め姿勢を巡って、不安定な値動きが続くと予想される。米長期金利の上昇を受けてハイテク株を中心に売られそうだ。一方、業績予想が好調な企業を物色する動きが相場を下支えしよう。
(マーケット支援部 床井)
春節前で持ち高調整か
26日の中国・上海株式市場は反発した。上海総合指数の終値は前日比22.6067pt(0.65%)高の3,455.6679ptだった。中国人民銀行(中央銀行)が短期市場への資金供給を増やしたほか、中国財政省が2022年に減税を拡大する方針も伝わり、景気下支えに向けた政策期待が続いた。指数は前日に約5カ月ぶりの安値を付け、値ごろ感を意識した物色や、自律反発狙いの買いも入った。上海と深セン市場の売買代金は合計で7941億元と、約8カ月ぶりの少なさだった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで11億3900万元の買い越しだった。個別では、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)、立訊精密工業(ラックスシェア・プレシジョン・インダストリー、002475)などが買い越しとなり、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)などが売り越しとなった。
本日の本土株式市場は小幅反落か。不安定な外部環境を警戒して、買いを入れにくい状況が続くとみられる。31日から春節の大型連休に入るため、持ち高調整の売りも重荷になりそうだ。
(マーケット支援部 床井)