6日の香港株式市場は続落した。ハンセン指数の終値は前週末比417.31pt(1.75%)安の23,349.38ptだった。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の世界的な感染拡大を受けて、朝方からリスク回避目的の売りが出た。中国恒大集団など一部の不動産会社の経営不安も改めて意識され、指数は午後に一段安となった。電子商取引のアリババ集団(09988)が同5.6%下げ、香港市場での上場来安値を連日更新。ネットサービスの騰訊控股(テンセント、00700)も下げるなど、中国ネット大手株が軒並み安となった。反面、中国企業の上場増への期待から香港取引所(00388)が上げた。香港上場のハイテク関連銘柄で構成する「ハンセンテック指数」は同3.34%安。2020年7月に指数公表が始まって以降の最安値を更新した。香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は1700億香港ドル。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで37億1500万香港ドルの買い越しだった。
6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反発し、前週末比646ドル95セント(1.9%)高の35,227ドル03セントで終えた。1日の上げ幅としては米大統領選があった2020年11月9日(834ドル高)以来、1年1カ月ぶりの大きさだった。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対する懸念がやや後退し、景気敏感株を中心に上昇した。ダウ平均は短期的な戻りを狙った買いが入り、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がテーパリング(量的緩和の縮小)加速を示唆する前の水準を回復した。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前週末比139.681pt(0.9%)高の15,225.153ptで終えた。
本日の香港株式市場は反発か。新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」に対する警戒感が和らぎ、前日の米株価市場では主要3指数が反発した。個別では、アリババ集団が最高財務責任者(CFO)の交代や電子商取引を国内と国外の2部署に編成すると発表し、経営の刷新が進むと期待する買いが入り、米株式市場ADRで前週末比10.4%上昇した。「ハンセンテック指数」が前日に指数公表以来の最安値を更新したこともあり、本日はハイテク株中心に自律反発狙いの買いが優勢となりそうだ。
(マーケット支援部 床井)
一進一退の展開か
6日の中国・上海株式市場は反落した。上海総合指数の終値は前週末比18.1261pt(0.50%)安の3,589.3061ptだった。朝方は中国政府の景気下支え策への期待から金融株を中心に買いが先行したが、午後は利益確定目的の売りが出た。中国の李克強首相が3日、中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行から強制的に預かるお金の比率を示す預金準備率を「適時引き下げる」と述べた。企業の資金繰り支援などにつながるとの見方が相場を支えた。上海・深セン両市場を合わせた売買代金は1兆2036億元と前週末からやや増えた。売買代金の1兆元超えは32日連続。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで3億9500万元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム、600690)、北京兆易創新科技(ギガ・デバイス・セミコンダクター、603986)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが売り越しとなった。
本日の中国本土株式市場は一進一退の展開か。預金準備率引き下げるとの発表を受け、下値は堅いと思われるものの、経済指標の発表を控え様子ムードも広がりそうだ。
本日は中国の貿易統計の発表、9日に物価統計の発表予定。
(マーケット支援部 床井)