1日の香港株式市場は4営業日ぶりに反発した。ハンセン指数の終値は前日比183.66pt(0.78%)高の23,658.92ptだった。朝方から値ごろ感のある銘柄を中心に買い直す動きが優勢になり、指数を押し上げた。午後は短期的な利益確定目的の売りが上値を抑えた。11月30日発表の香港の10月の小売売上高が前年同月比12%増と、伸びが前月から拡大したことも投資家心理の支えとなった。1日朝に財新が発表した中国の11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が悪化したが、相場の反応は限られた。マカオで富裕層向けカジノのVIPルームの一部が閉鎖されたと伝わり、マカオカジノ株に売りが出た。香港メーンボードの売買代金は1394億香港ドルと、前日から4割減った。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで16億2400万香港ドルの買い越しだった。
1日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比461ドル68セント(1.3%)安の34,022ドル04セントと2カ月ぶりの安値で終えた。前日に大幅安となった反動で午前は一時520ドル高まで上昇したが、午後に入って下げに転じた。米国で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の初の感染者が確認され、感染拡大を警戒した売りで引けにかけて下げ幅を拡大。ほぼこの日の最安値で終えた。ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も続落し、同283.639pt(1.8%)安の15,254.052ptで終えた。
本日の香港株式市場は売り先行も下値では押し目買いが入ろう。米国で新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の初の感染者が確認されるなど、世界的な感染拡大への警戒感が強まっている。朝方はリスク回避目的の売りが先行しそうだ。ただ、軟調な場面では押し目買いも入り下値も堅いとみられる。
(マーケット支援部 床井)
反落か、国内外で新型コロナウイルス感染拡大
1日の中国・上海株式市場は続伸した。上海総合指数の終値は前日比12.9981pt(0.36%)高の3,576.8853ptだった。このところの下げで値ごろ感が意識された銘柄に買いが入った。中国経済の先行きに自信を示したとする中国の劉鶴副首相の見方が伝わったほか、中国当局の政策への期待も相場の支援材料となった。朝方は小幅安で推移した。取引開始後にメディアの財新が発表した11月の中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が景気判断の境目を3カ月ぶりに下回り、投資家心理の重荷となった。上海と深セン市場の売買代金は合計で1兆1464億元と、29日連続で節目の1兆元を上回った。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで30億元の買い越しだった。個別では、貴州茅台酒(グイジョウ・マオタイ、600519)、内蒙古伊利実業集団(インナー・モンゴリア・イーリー・インダストリアル、600887)などが買い越しとなり、隆基緑能科技(ロンジ・グリーン・エナジー・テクノロジー、601012)、国電南瑞科技(ナリ・テクノロジー、600406)、国軒高科(ゴーション・ハイテック、002074)などが売り越しとなった。
本日の中国株式市場は反落か。国内外で新型コロナウイルスの感染が拡大し、運用リスクを避ける動きが強まりそうだ。全体相場の戻りに期待しづらい中、個別の材料株などを物色する動きとなろう。
(マーケット支援部 床井)