11月15日~11月19日の香港・中国本土株式市場はしっかりの展開か。
株式市場は不動産会社の債務不履行問題がくすぶる中、徐々に好材料が増えつつある。11月8日から11日に行われた中国共産党の「6中総会」では、習近平総書記の功績を強調し、同氏の長期政権への布石になるとみられる。来年の党大会に向け、同氏が唱える「共同富裕」推進のための税制改革等が準備、実行に移されれば、消費の伸びが一段と高まると期待される。8日には、政府が営利目的の職業試験準備の学習指導等で事業免許を発行する計画であると報じられ、規制強化が後退しつつあるとの見方が出ている。また、16日午前(米国時間15日夜)にはオンラインでの米中首脳会談が開催されるようだ。
15日に10月の主要経済統計が発表予定。政府は9月末辺りから石炭の増産や電力価格の引き上げ等により電力供給の確保に努めてきたこともあり、8日には、全国の約9割の地域で電力需給が正常化したと報じられた。工場の稼働率低下の主因であった電力不足が解消に向かっているため、10月の鉱工業生産は伸び率の下げ止まりの兆しがみられよう。
18日はアリババ集団(香港09988)の7~9月決算の発表予定日である。市場予想(Bloomberg)では、純利益が前年比2割減益になると見込まれる。ただ、決算発表で同社と政府との関係改善の兆しが示されれば、中国株相場の反転の切っ掛けになるかもしれない。
(マーケット支援部 井上)
今週の主なスケジュール
15日
10月新築住宅価格(前月比)
10月小売売上高(前年比)
10月鉱工業生産(前年比)
10月固定資産投資(除農村部/年初来/前年比)
10月不動産投資(年初来/前年比)
19日
ハンセン指数構成銘柄入れ替え発表
主な決算発表予定
16日
キングソフト(03888)、ネットイーズ(09999)
17日
ビリビリ(09626)、百度集団(バイドゥ、09888)
18日
ササ・インターナショナル(00178)、石薬集団(01093)、京東集団(JDドットコム、09618)、アリババ集団(09988)