16日の香港株式市場は反発。ハンセン指数の終値は前日比228.25pt(0.94%)高の24,386.79ptだった。金融株を中心とした中国本土銘柄の上げが目立ち、相場をけん引した。前日に大幅安となった中国大手ネット株には値ごろ感を意識した買いが入った。週明けの19日に中国の主要経済統計の発表が控えるなか、指数は午後にかけて高値圏での小幅な動きが続いた。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで43億5600万香港ドルの買い越しだった。
16日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比112ドル11セント(0.4%)高の28,606ドル31セントで取引を終えた。朝方発表の9月の米小売売上高が市場予想を上回って伸び、米経済の底堅さを意識した買いが優勢となった。ワクチンの実用化が意識されたことも投資家心理の改善につながった。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比42.32pt(0.4%)安の11,671.56ptと4日続落した。
本日の香港市場は好悪材料入り混じる中、方向感に乏しい展開を想定する。欧米を中心とした新型コロナウイルスの感染再拡大などへの懸念は上値抑制要因として意識されそうなものの、前週末の米株式相場が4営業日ぶりに反発して終えたことで、投資家心理は上向こう。中国の戦略物資やハイテク技術の輸出管理を強化する輸出管理法が17日、国会にあたる全国人民代表大会(全人代)常務委員会で成立したと伝わった。同法案は2019年12月、20年6月の全人代常務委で議論されてきたが、安全保障などを理由に禁輸企業リストをつくり、特定の企業への輸出を禁ずるほか、米国を念頭に海外の輸出規制への対抗措置と位置づけるとの規定も追加され、12月1日に施行する運びとなるようだ。米国は通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)など中国企業への禁輸措置を強めているが、中国側も「報復事項」を盛り込んだことで、米中間で報復の応酬がエスカレートする恐れもあり、株式市場にとっては警戒材料として意識されよう。本日は、日本時間11:00に中国で7~9月期GDPなど主要経済指標が発表される予定。Bloombergによる7~9月GDP成長率の市場予想は前年比+5.5 %と、4-6月の同+3.2%から高まり、19年通年の同+6.1%に一段と近づくと見込まれている。
(マーケット支援部 井上)
こじっかりの展開か。主要経済指標の内容を見極めたいといったムードが強まろう
16日の中国本土株式市場で主要株価指数はまちまちの動き。上海総合指数の終値は前日比4.1750pt(0.12%)高の3,336.3582pt、深セン成分指数の終値は同92.16pt(0.67%)安の13,532.729ptだった。時価総額の大きい銀行や保険株の上昇が相場全体の支えとなった一方で、19日に7~9月の国内総生産(GDP)など中国の主要経済統計の発表を控えて様子見気分も強く、方向感に欠ける展開だった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで5億300万元の売り越し。個別では、宜賓五糧液(000858)、格力電器(000651)、ラックスシェア(002475)、興業銀行(601166)、中国中免(601888)、江蘇恒瑞医薬(600276)などが買い越しとなり、分衆伝媒(002027)、東方雨虹(002271)、貴州茅台酒(600519)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場はこじっかりの展開を想定。日本時間11:00発表の主要経済指標が市場予想通り改善を示す内容となれば、素直に好感する動きも期待できよう。26~29日開催予定の中央委員会第5回全体会議(5中全会)で、25年までの消費目標引き上げの可能性が伝わった再生エネルギー関連や生産現場での台頭が伝わるEV(電気自動車)部品関連企業の動向に注目が集まりそうだ。
(マーケット支援部 井上)