休場明け14日の香港株式相場は小幅に上昇した。ハンセン指数の終値は前営業日の12日と比べて17.41pt(0.07%)高の24,667.09だった。中国の大型ネット株の上昇が支えとなった。ただ相場が約1カ月ぶりの高値圏にあるため、目先の利益を確定する目的の売りは出やすく、下げに転じる場面も多かった。中国の習近平国家主席は「深セン経済特区」成立40周年の記念式典で演説したが、目新しい経済政策に乏しかったため、市場の反応は限られた。米アップルが新型スマートフォン「iPhone12」で、テンセント(00700)の米子会社が手がけている人気ゲームを配信すると発表し、収益寄与への期待から同社株価は3%近く上昇し、実質的な上場来高値を更新した。中国本土から香港株に投資するストックコネクト・サウスバウンド取引は、成約ベースで69億3800万香港ドルの買い越しだった。
14日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落した。前日比165ドル81セント(0.6%)安の28,514ドル00セントで終えた。追加経済対策の早期合意は困難との見方が広がり、市場心理が悪化した。投資家が運用リスクを回避する姿勢を強め、ハイテク株など足元で買われていた銘柄を中心に売りが優勢になった。また、米国では新型コロナウイルスの新規感染者や入院患者数が再び増加傾向にあり、経済支援が一時的に打ち切られ、景気回復が遅れるとの見方が強まった。
本日の香港株式市場は、売りが先行するも底堅い相場となろう。中国習近平国家主席が「深セン経済特区」設立の40周年記念式典で国内市場の成長を優先させることや、テクノロジー競争で世界の主導権を握ることなどを言及し、ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連株が物色される動きとなろう。昨日アリババ(09988)とテンセント(00700)、美団点評(03690)はそれぞれ上場来高値を更新した。本日も引き続き注目が集まろう。
(マーケット支援部 床井)
方向性の掴みづらい展開となろう
14日の中国・上海株式相場は4営業日ぶりに反落した。上海総合指数の終値は前日比18.9717pt(0.56%)安の3340.7782だった。前日までに3営業日続伸して約1カ月半ぶりの高値を付けていたとあって、利益確定目的の売りが優勢だった。習近平国家主席は、14日「深セン経済特区」創立40周年記念式典で中国・広東省と香港、マカオで構成する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」の重要性などを指摘したが、足元の株式相場はすでに習氏の深セン訪問期待で上げていたため、この日は目立った反応がなかった。香港から中国本土株に投資するストックコネクト・ノースバウンド取引は、合わせて成約ベースで15億5500万元の売り越しだった。個別では、格力電器(000651)、立訊精密工業(002475)、順豊HD(002352)、貴州茅台酒(600519)、伊利実業集団(600887)などが買い越しとなり、五糧液(000858)、三一重工(600031)などが売り越しとなった。
本日の中国本土市場は、手掛かり材料に欠くことから大きな方向性は出にくい相場となろう。
(マーケット支援部 床井)