香港市場
【10月回顧】ハンセン指数は約13年半ぶりの安値
米金利上昇や中国政治・経済の先行き不安感などを背景に、香港市場は下落基調が続いた。ハンセン指数は24日に16,000 ptを割り込み、約13年半ぶりの安値を付けた。米FRBの11月会合では、4会合連続となる0.75%の利上げが実施される見込み。中国の「ゼロコロナ」政策が堅持される中、経済活動の停滞に対する懸念が払しょくできていない。
個別銘柄では、蔚来汽車(09866)や百度集団(09888)などグロース株の下落が目立った一方、3Qの好決算を発表した株洲中車時代電気(03898)は堅調に推移した。
【11月見通し】割安感から下値余地は限定的か
11月の香港市場は、底堅い展開になりそうだ。
米利上げなど厳しい外部環境が続く中、投資家の慎重姿勢が強まる可能性はあるが、割安感から下値余地は限定的と考えられる。また、中国マネーの流入継続が見込まれるほか(24日時点、10月のサウスバウンド経由の買越額は約471億HKD)、中国当局の政策への期待感が高まる可能性もあろう。
11月に開かれるG20サミットに注目。米中首脳会談が行われる可能性がある。決算発表にも注目したい。テンセント(00700)は16日に決算発表の予定。18日にハンセン指数の構成銘柄の見直し結果が発表される予定。
(10/24記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【10月回顧】外資の売り加速、上海3,000pt割れ
10月の中国市場は上値の重い展開。国慶節の連休明け後、上海総合指数は12日に約5カ月ぶり安値となる2,934ptまで売られた。深セン成分指数も同日に約5カ月ぶり安値の10,402ptを付けた。政府系資金「国家隊」による買い支えなどで持ち直す場面も見られたが、人民元の対米ドルでの下落(08年1月以来の安値水準)や中国の新指導部の経済運営に対する不安感などが足かせとなった。地政学リスクや景気減速懸念などに敏感な海外投資資金の流出も目立つ。外資によるA株売越額は534億元(月初~10/24まで)と月間ベースで今年最多まで膨らんだ。
【11月見通し】戻りを試す展開か、国策銘柄に注目
11月の中国市場で各指数は戻りを試す展開となりそう。上海総合指数は3,200pt、深セン成分指数は11,000pt台の回復も視野に入る。「ゼロコロナ政策」の堅持による経済活動の停滞懸念は引き続き相場の変数。一方、共産党大会を経て習近平総書記の3期目続投が確定し、国策として掲げている脱炭素や半導体への注目が一層高まりそう。太陽光パネルで世界最大手の隆基緑能科技(601012)などの値動きに注目したい。また、「ダブルイレブン」(11日)絡みでネット通販が盛り上がりやすいことから、宅配大手の順豊控股(002352)などへの物色が強まろう。
(10/24記:上海駐在員事務所 山藤)