香港市場
【11月回顧】月前半は上昇、後半は概ね横ばい
香港市場は、米株式市場の上昇などにより、月初から上昇基調が続き、ハンセン指数は9日に26,000ptを突破し、約4カ月ぶりの高値を更新した。ヘルスケア関連株はさえない動きだったが、出遅れが目立つ金融株や不動産株などに見直し買いが続き、ハンセン指数の上昇に大きく寄与した。
個別銘柄では、製品の出荷好調や業績期待などで小米集団(01810)が23日に上場来高値を更新した。アント・グループのIPO延期などにより、アリババ集団(09988)は月前半に大きく値を下げたが、後半は見直し買いが入り、反発を見せた。
【12月見通し】堅調な展開を想定
12月の香港市場は堅調な展開を想定する。
新型コロナの感染再拡大による経済活動の停滞が懸念されているが、米政治の不確実性後退、米新政権の経済政策・ワクチン実用化への期待などは好材料として株式市場を支えよう。バリュー株へのシフトが続き、割安に放置されている銘柄を仕込む「バリュー投資」は引き続き有効と考える。
香港政府の「2020年施政報告」では、アリババ集団や京東集団(09618)などのセカンダリー上場銘柄をストックコネクトの対象に加える方針は盛り込まれなかったが、対象となる期待は依然として根強い。
25日はクリスマスで休場となる。
(11/25記:東洋証券亜洲有限公司 キョウ)
中国市場
【11月回顧】外資買い戻し、上海は年初来高値迫る
11月の中国市場で各指数は堅調な展開となった。深セン成分指数は9日に約5年5カ月ぶりの高値となる14,197ptまで上昇。上海総合指数は23日に3,431ptまで買われ、年初来高値3,458pt(7/13)に迫った。「第14次五カ年計画」の構想公表や政府による消費拡大策を受け、自動車や家電など内需株全般が動意付いた。対米ドルでの元高基調や海外投資資金の流入増なども相場押し上げに一役買った。
美的集団(000333)が19日に95.32元まで上昇し、上場来高値を更新。中国自動車最大手の上海汽車集団(600104)も大きく買われた。
【12月見通し】騰勢継続か、白酒や旅行株に注目
深セン成分指数:13,000~15,000pt
12月の中国市場で各指数は騰勢が続きそう。上海総合指数は年初来高値更新や節目の3,500pt回復も視野に入る。科創板銘柄がストックコネクトの対象になるとの方針を受け、新興市場で物色が進みそう。
年内開催予定の中央経済工作会議においては「新型インフラ建設」の推進や内需拡大の強調が予想され、科大訊飛(002230)や三一重工(600031)などの関連株が賑わいそう。年末や春節休暇(21年は2/11~17)は白酒の書き入れ時で、旅行も盛り上がる時期。宜賓五糧液(000858)や中国免税最大手の中国旅遊集団中免(601888)などの動きにも注目したい。
(11/25記:上海駐在員事務所 山藤)